パソコンから変な音がする、そんな時は

パソコンから変な音がする

特に夏から秋にかけての湿気が多く気温が高い時期に発生しやすいのが、パソコンから聞こえる変な音です。

ブーンとか
カリカリとか
ガラガラとか

今まで聞いたことが無い不穏な音をパソコンが出し始めることがあります。
この変な音には2パターンの原因が考えられます。

音の原因その1:暑いけどいつも通り働こうと頑張っている
音の原因その2:限界がきて壊れた

シンプルに言うと上の状態のどちらかなのですが、それぞれどの部品がどういう状態なのか詳細をご説明いたします。

唐突にパソコンの不具合が起きると、「何事だデータはどうなるんだ何をどうすればいいんだーー!ヾ(*д*ヾ三ノ*д*)ノ」と焦ってしまうこともあるかと思います。けれどご自身で対処されるにしても、修理をご依頼いただくにしても、現在の状況が一時的なものか完全な故障なのか、故障であれば大体どの部品が壊れたのかを判断するために、まずは一旦落ち着いて冷静に状況を観察してみてください。

また、変な音がパソコンから聞こえ始めても、けして揺さぶったり叩いたり逆さにしたりしないでください。
今は昔、ブラウン管のテレビが叩いたら映ったのは、映像信号を伝えている部品などの接点接触不良が振動で改善されることがあったからです。
しかし今の電気製品は昔より細かな部品が繊細な配置で並んでいます。下手な衝撃を与えると状況が悪化するどころか他の部品まで破損してしまったり、最悪の場合はショートして漏電したりと大変危険です。くれぐれも衝撃を与えないようにご注意くださいね。

変な音の原因と改善方法

音を文字にしてお伝えするのはなかなか難しいので、おおよその説明文と雰囲気でお察しください m(_ _)m
上から下に行くにしたがって、部品の故障である可能性が高くなります。
といってもこちらに記載している箇所以外にも異音の原因になる部品はありますので、以下はあくまでも参考までにご覧ください。
音の種類や、音が聞こえてくる場所を落ち着いて探してみてくださいね。

ジー・・・

様々な電気製品から聞こえることがあるノイズ音です。
虫の鳴く声にもちょっと似ているかも。

HDDの稼動音

基本的にはHDDが動作している時に聞こえます。
HDDのアクセスランプの点滅に合わせて聞こえることがあります。

これは標準的な動作音なので止めることはできません。
夜、静かなお部屋でパソコンを使っていると聞こえる程度の音量ですのであまり気になさらないのが一番です。
気温が高い時や、逆に冬場で気温が低い時、あとはデータの読み込み書き込み量が多い動作の時など、HDDが頑張って動作していると少し音が大きくなります。
どうしても気になる場合にはHDDをSSDに交換することをご検討ください。
稼動の仕組みが違うので、HDDよりSSDのほうが動作音が静かです。

イヤホンやスピーカーの接触や再生状態が悪い

これはイヤホンを外した場合や逆にイヤホンで音を聞いた場合などそれぞれを比べてみるとどれが音の原因かが判断できると思います。
接触不良であればコードの抜き差しで直ります。

電源コードが逆向きにコンセントに挿されている

電源コードの先にあるプラグ(コンセントに挿す金具の部分)を抜いて、上下もしくは左右を逆にして挿し直してみてください。
コンセントの極と逆にプラグを挿していると、ごく稀にノイズが鳴ることがあります。

その他の原因

これが無視できないほど大きな音量でジージーと鳴る場合には、ノートパソコンのバッテリーや、デスクトップパソコンの電源ユニットが経年劣化で弱っている可能性があります。
バッテリーや電源ユニットの修理や交換が必要です。
ノートパソコンの場合はバッテリーをご購入いただいて古いものと取り替えていただくだけで良いのですが、デスクトップの電源ユニットの場合はご自分で部品を探して購入しパソコンの内部を開いて分解交換するか修理のご依頼をしていただくことになります。

ブーン・・・ブーン・・・(冷蔵庫の動作音に似た、モーターが回転するような低い音)

DVDドライブやBlu-rayドライブのディスク回転音

これはパソコンを起動した時や、ディスクを入れた時に一時的に振動と合わせて音が大きくなります。
ディスクの回転が安定すると静かになります。
いつまで待ってもずっとディスクの回転に合わせて音が治まらない場合は一度パソコンの電源を切って再起動してみてください。

HDD

データの読み込み、書き込みの際などHDDが特に頑張って動作している時に聞こえます。
HDDのアクセスランプが点滅しているのと同じタイミングで音が鳴ると思います。
大きなデータ(動画など)を連続でダウンロードするとそれだけ負荷がHDDにも掛かりますので、あまり長時間連続でダウンロードしないようにしていただいた方が安心です。

ファン

夏場に気温が上がるとパソコン内部の熱を逃がすためにファンが頑張って回転数を上げて回りっぱなしになりますので、他の季節に比べて音が気になることがあります。
また、内部にホコリが溜まっていたり煙草のヤニで汚れたりするとファンが回りづらくなって更に音が大きくなります。
特に長年使っているパソコンの場合はファンをスムーズに回すためのグリス(潤滑剤)が経年劣化することによって回転しづらくなることがあるのですが、このグリスの部分にホコリが付着してぐっちゃぐっちゃになってしまっていることも。
パソコンを起動していない時はカバーを掛ける、ホコリが入り込みやすい場所に置かない、出来ればたまに内部を清掃するなどして、出来るだけ内部が汚れないようにお気をつけください。

カラカラ(軽い金属が当たるような音) カリカリ(何かを引っかくような割合小さな音) カシャカシャ(小さな金属音) ギッギッギッ(軋むような金属音) キシキシ(虫の鳴くような金属音)

HDD

HDDの空き容量が少なくなり、読み込みや書き込みに負荷が掛かっているか、もしくは経年劣化、物理的な破損などでHDDが傷んできている状態です。
まずはHDDの現在の空き容量を確認してみてください。
空き容量が少なくなってきている場合には不要なデータを削除するか、他の記憶装置(外付けHDD、USBメモリ、光学ディスクなど)にデータを移しましょう。
HDDを容量の大きなものに交換することもできます。

しかし上記のような異音がし始めたら、既にHDDが傷んでいる可能性が高いですね。
HDDの内部にはデータを記憶するためのディスク(円盤)があり、ディスクがスピンドル(軸)を中心に高速回転しています。
動作中に傾けたり、パソコンに衝撃を与えたり、経年劣化で部品が傷んだりすると、この中心のスピンドルがずれたり、ディスクがきちんと回らなくなったりして変な音が聞こえるようになります。
この音が鳴り始めると要注意!放っておくとHDDはどんどん傷んで、起動そのものができなくなったり、内部のデータを取り出すこともできなくなる可能性があります。
きちんと起動する内に、大切なデータは他の記憶装置に保存しておきましょう。

ファン

ブーンと音がする場合と同じく、内部にホコリが溜まっていたり煙草のヤニで汚れたりしてファンが回りにくくなっているか、回転軸からずれて他の部品や配線に触れている状態です。
ファンの清掃や交換が必要です。

また、ファンの回転に合わせて軋むような音がする場合は、軸の辺りに塗られている潤滑剤(グリス)が劣化して逆に回転を妨げている可能性もあります。
清掃してグリスの塗り直しをすれば改善されることもあります。

DVDドライブやBlu-rayドライブ

ディスクがきちんとはまらず、中でズレてしまった場合などにカラカラと音が鳴ることがあります。
この場合はディスクを取り出すだけで直ることもあれば、引っかかった際にドライブ自体が破損してしまっていることもあります。
可能であればご自身で分解していただいて引っかかっているディスクを取り除いていただいても良いですし、ご自身で分解するのは不安、という場合には修理業者へご依頼ください。

カチカチ(時計の秒針の音を大きくしたような音) カッチンカッチン(車のウインカーの音が少し高くなったような音)

HDD

HDDが完全に壊れてしまった状態です。
こうなるとHDDを新しいものに交換するしかありません。

この状態になると、
・起動そのものができない
・HDDのエラーメッセージが表示される
・HDD内のデータを認識できずファイルが開けない
・HDDにデータを保存できない
など様々な不具合が発生します。

また、内部のデータを抽出して新しいHDDに移すことも困難な状態です。
ここまで悪化する前に修理やデータのバックアップをご検討ください。
合わせてHDDの故障の項目をご覧ください。

ガラガラガラガラ (騒音レベルで何か固いものがぶつかっているような音) ギイィィィィ (びっくりするくらい大きな金属音)

CPUファン

ブーンと音が鳴ったり、カラカラ言い出したり、という状態を経てついにファンが壊れてしまった状態です。
ファンが壊れてガラガラギイギイ言い出す時には、ファンの軸がずれ、ファンが他の部品に当たりながら回っている可能性が高いです。
こうなってしまうと、出来る限り早めに新しいファンと交換していただく必要があります。

そのまま無理に使用を続けると他の部品まで破損して余計に修理費用が嵩んでしまうことがあります。
(ご近所迷惑になるくらいうるさいので使用を続ける方は少ないと思われますが)
この状態だと、ファンのエラーメッセージが表示されたり、きちんと起動しなかったりと、既にパソコンの使用が難しい不具合が発生していると思われます。

ピーピー、ピッピッ(アラームのような機械音)

目覚ましの音やポットでお湯が沸いた時などお知らせの音声でよく聞くものと同じような機械音です。

エラーを知らせる音

これはビープ音やBIOS警告音と呼ばれているもので、お手元に機種説明書がある場合や、インターネット検索できる環境がありましたら、メーカー、機種型番、ビープ音の長短、ビープ音の回数などからおおよそのエラー原因を探ることができます。

主に
・マザーボード基板
・電源ユニット
・CMOSバッテリー(日付データなどを管理するための電池)
などの不良である可能性が高いです。

たとえば『ピーー・ピッピッ』と長い音が一回、短い音が二回。
この音が鳴る場合は、マザーボード基板の中のグラフィックボードの不良が発生していることが多いです。
マザーボード修理で改善することができます。

修理のお問合せをいただく際にも、こういう音が何回鳴ったかをお知らせいただくとおおよその原因をお調べしてお見積りすることができます。
また、音のする箇所が特定でき、ネット上でお使いのパソコンの分解画像などが見つかればどの部品が音の元かが判ると思います。

異音の原因になりやすい部品まとめ

変な音が鳴る故障と改善方法を部品ごとにまとめると以下のとおりです。

DVDドライブ・Blu-rayドライブの故障

ディスクが引っかかっているでもなく変な音が鳴り始めた段階で、正常な読み込みや書き込みはできない状態だと思われます。
ドライブを新しいものに交換する必要があります。

ファンの故障

パソコンの内部にはケースファン、電源ファン、CPUファンなど、内部の熱を下げるため&熱を外に逃がすために回転して風を送る小さな扇風機のようなものがあります。
特に各装置の制御やデータの計算・加工を行うパソコンの頭脳であるCPUはその働きのぶん負荷が大きく、動作熱が高温になります。
これを冷却するために、パソコンには必ずCPUファンが設置されています。
CPUファンがきちんと回らなくなるとファンエラーできちんとパソコンが起動しなかったり、起動したとしてもCPUが高温になることで安全のために自動的に電源が切れてしまいます。

ホコリが溜まってファンが回りにくくなっている場合にはファンの清掃で改善されることがあります。
また、完全にファンが破損してしまっている場合はファン交換修理が必要です。

HDDの故障

HDDの不良で異音がする場合にはHDD自体を交換する必要があります。
主なプログラムやデータが保存されている部品がHDDなのですがこれが壊れてしまうとパソコンが起動しなくなったり、ブルースクリーンエラーが出たり、最悪の場合は今まで保存してきたデータそのものが破損して失われてしまったり。
そんな重要な部品であるHDDですが、データの読み書きで必ず動作する箇所であるために消耗もしやすく、使用年数に関わらず唐突に壊れてしまうことがあります。

世間には完全に壊れてしまったHDDからデータを取り出してくれるデータ復旧の業者さんもいます。
しかし、これは通常のパソコン修理とは違い、目に見えないデータというものを扱う点から、
・データ復旧の相場というものが明確でないのでその業者の言い値になる
・本当は新しいHDDに簡単にデータを移行できる状態なのに
 「完全に破損しているので復旧料金が10万円かかります」など悪質な嘘をついて依頼を受ける業者がいる
・十分な技術が無いのに作業を行い、本当なら復旧できたものを元の状態より酷い状態に壊して
 「破損状態が酷くデータ復旧できなかった」と報告する業者がいる
そんな怪しい業者も紛れています。

もちろん、お客様のデータを本当に大切に思い復旧に尽力し、個人情報の保護を徹底する誠実な業者さんのほうが圧倒的に多いのですが、中には上記のような悪質な業者もいるようですのでご注意ください。

パソコンが起動しない状態でも、HDDの中身まで壊れてしまっているとは限りません。
皆さんパソコンの動作がおかしくなったり、変な音が聞こえ始めた段階でご相談されると思いますので、一般的にはデータの全てが完全に破損する方が少ないと言えます。
しかし、お仕事の都合などでギリギリまでパソコンを修理に出すことが出来ずについに限界が来てしまった、というケースなどもあります。
まずはHDDの状態がどうしてもデータ復旧しないと無理だ!という状態かどうかを確認しましょう。

HDDの状態を確認→データがご不要であればリカバリーでご購入時の状態に戻します
  ↓
データがご入用の場合は、破損の段階によって
①可能であれば現環境およびデータを移行
②抽出可能なデータのみを取り出し
③データ修復が可能であれば修復してデータを抽出
以上の対応ができます。
  ↓
修復も不可能な状態であれば、完全なデータ復旧が必要です。

①~③の対応であれば弊社でも承っております。
また、リカバリディスクを紛失してしまった&HDD内部にもリカバリデータが無いという場合にはリカバリディスクを手配してのリカバリーも可能です。

マザーボードと電源ユニットの故障

ピーピーというビープ音の場合はマザーボードや電源ユニットなどの不良である可能性が高いと上でご説明いたしました。
水濡れ・熱による焼損・経年劣化などによる部品の損傷であればそれぞれの部品の修理(破損度合いによっては交換)で改善できます。

マザーボード

マザーボードとはCPU、チップセット、RAMモジュールなど他の部品を装着する基板の事です。
マザーボードが壊れてしまうと、
・電源が入らなくなる
・起動の途中で電源が落ちる
・画面にタテ線や点線が表示される
・長時間使うとパソコンの動作が不安定になる
などの様々な症状が発生します。

例えば弊社にマザーボード修理をご依頼いただいた場合、どの部品が壊れているかを特定し、必要箇所のみ修理・交換します。
また、修理や交換が不可能な部分の破損である場合や腐食が全体に及んでしまっている場合などはマザーボード交換となります。

電源ユニット

電源ユニットとは主にデスクトップパソコンや一体型パソコンの内部にある部品で、コンセントから取った電気を変換してパソコンの電力にするものです。
当然、電源のON/OFFに直接関わっていますし、パソコンを起動している間はずっと必死で働いています。
ちょっと調子が悪いからと電源ボタン長押しで強制終了を繰り返したり、マザーボード基板が傷んで上手く電流が流れなくなったりすると、この電源ユニットが壊れてしまうことがあります。

また、最近はUSBから給電するアクセサリー(ミニ扇風機や携帯電話の充電器など)が色々と販売されています。
とても便利ですし、可愛いデザインのものもあったりして
殺風景なデスク周りを彩るためのまさにアクセサリー感覚で使用されている方も多いと思います。
しかし、そのUSBに繋いだアクセサリーに電気を送っているのも電源ユニットなのです。

電源ユニットが流しそうめんを流す役だとしましょう(唐突な例えですいません)。
業者(コンセント)からどっさり渡されたそうめんをいい感じに茹でて、皆が食べやすい量を計算し、良いタイミングで上手いこと流し台に流しているユニットさん。
そんなユニットさんに対して「こっちの流し台にも同時に流してね!」という指令が上司(あなた)から来たとします。
しかしユニットさんは文句も言わずに一生懸命、両方の流し台にそうめんを流してくれます。
サブの流し台(USB)で待っている人達(アクセサリー)が「あ、こっちそんな多くなくていいんで…忙しいのになんかすいません」と謙虚な姿勢で待っていてくれるのがせめてもの救いです。
そんな働き者なユニットさんは、毎日毎日一人でそうめんを茹で続け、メインの流し台にもサブの流し台にも同時にそうめんを流し続け、ある夏の暑い日、ついに限界が来て倒れてしまうのです…。

どうでしょう、ちょっと流行りの擬人化をしてみましたが電源ユニットさん可哀相じゃないですかね。
少しくらいならアクセサリーをつけても耐え切れる電源ユニットも、複数を毎日装着されてしまうと負荷が大きく、故障する可能性が高くなってしまいます。USBアクセサリーの使用はほどほどに抑えてみてください。

人間の病気に対して早期発見・早期治療が大切なように、早い段階で修理をしたほうがパソコンも早く安く直せる可能性が高くなります。
変な音がし始めたら、もしくはエラーや不具合が出始めてどうにもならなくなったら、出来るだけお早めにお問合せくださいね。

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