世界を少し広くする、AR技術とSmartAR技術

   2014/04/24   icon-clock-o読了時間:約10分52秒

AR技術とは

ARはAugmented Reality(オーグメンテッドリアリティ)の略で、日本語で言えば『拡張現実』。

“ 人が知覚する現実環境をコンピュータにより拡張する技術、
およびコンピュータにより拡張された現実環境そのもの ”
とwikipediaでは説明されています。

ざっくり言えば
予め用意されたマーカーと、マーカーを理解できる機器があれば情報を現実に付加することができる技術
といったところでしょうか。

AR技術の例

QRコード

人間の目には正方形のなんかぐしゃぐしゃしたバーコードですが、
携帯やスマホのバーコードリーダーを通せば文字だったり写真だったりURL情報だったり。
雑誌や商品のチラシ代わりだったり、キャンペーン応募の際に見かけることも増えましたね。

地図ナビゲーション

auの携帯電話を使ったことがある方なら
『EZナビウォーク』という道案内アプリをご存知かもしれません。
携帯電話の位置情報をGPSで送信して地図や店舗情報を表示させ、
更に自分の向きも携帯電話の向きで察知して道案内をしてくれる
私(方向音痴)の強い味方でした。
今はスマホも普及して様々な道案内アプリがあります。

3Dぬりえアプリ 『colAR Mix』

iPhone、iPad、Androidで使用可能な塗り絵アプリで、
公式ホームページから塗り絵をプリントアウトしてお好みで彩色。
出来上がった絵をスマホやパッドにインストールしたcolAR Mixアプリを使って見てみると
3Dになって動き出すという夢のような話です。これはすごい。
アプリ紹介の公式動画がこちらの『colAR Mix Trailer』

自分が色を塗ったドラゴンやメリーゴーラウンドが動きだしたら
お子さん(親御さんも)大興奮じゃないでしょうか。

『colAR Mix』公式ホームページ
塗り絵のイラストダウンロードもこちらから。
『ダウンロードイラスト』をクリックするとPDFファイルとしてダウンロードされるので
塗りたい絵柄を印刷して、普通の塗り絵と同じように色を塗ったら
後はアプリを起動してカメラ認識させるだけです。

アプリ自体は無料で、塗り絵イラストパックも無料のものが9枚ほどあります。
ドラゴンや飛行機のイラストパックは有料なので、ひとまず無料パックでお試しください。
■iPhone、iPadへのアプリインストール・・・Apple store 『colAR Mix』
■Androidへのアプリインストール・・・Google Play store 『colAR Mix』
塗り絵を回転させて後ろから見たり、自分の手を一緒に映してみたり。
他のアプリとの連携で3Dで表示された状態をプリントアウトすることも可能です。

昔々のAR技術

その昔バーコードバトラーというオモチャがありました。
世の中のありとあらゆる商品に付いているバーコードをバーコードバトラーで読み取ると
体力や攻撃力が算出されてキャラクターが表示され、
そのバトルキャラクター同士を対戦させることができるゲーム機だったのですが
より強いバーコードを求めて母親が買ってきた食料品や洗剤のバーコードを
片っ端から切り抜いて持ち去っては叱られたものです。懐かしい。
20年以上前の話ですが、あれもある意味AR技術だったんですね。

このバーコードバトラーで言えば、
現象を引き起こすためのマーカー(指標):バーコードを
AR技術を備えた機器:バーコードバトラーを通すことによって
拡張現実:HPや攻撃力等の数値によるバトルキャラクターが発生する、ということですね。

とっても難しげに思えるAR技術ですが、
こうして昔の物で考えるとちょっとだけ解り易いかもしれません。

そんなAR技術から更に進化したものが以下でご紹介するSmartAR技術です。

SmartAR(スマートAR)技術とは

SONYさんが2011年に開発を発表したSmartAR技術(Sony Marker-less AR Technology)は
従来のAR技術がマーカー方式だったのに対して、マーカーレス方式となっています。
つまり今までのAR技術を用いた場合には
情報を呼び出すきっかけとしてAR専用の印(マーカー)をつけた物を予め用意しなければならなかったのですが、
SmartAR技術の場合には、今までARと何の関係もなかった看板を
スマホを通して見れば最新情報が表示されるようにしたり、
何の変哲もないぬいぐるみをデジカメの中で躍らせたり、
といったことが後からいくらでも可能になったということです。

SmartAR技術の特徴

マーカーレス方式を可能にしたのが、今までSONYさんが研究してきた物体認識技術と3D空間認識技術です。

物体認識技術

画像の一部から得られる特徴(局所特徴)と、その位置関係を用いて物体を認識する技術です。
今までより洗練されたアルゴリズム(計算処理方法)を使うことによって
対象物の大小や、周囲の明暗に出来る限り左右されずに
高速に、高度対象物を認識することが可能になりました。

3D空間認識技術

カメラを移動させることによって認識できる空間全てを把握し、
その空間の形状、カメラの位置、撮影姿勢などを基本にして3次元構造を認識する技術です。
認識した3D空間を仮想空間の物体と組み合わせてよりリアルに表現することが可能です。
目の前を走っている車(現実の3D空間)の上を飛び移っていく忍者(仮想空間)を作り出したり、
雑誌から飛び出したキャラクターが雑誌から離れて歩き出す(2Dから3Dへの認識処理)など、
リアルタイムで得た空間認識に対して情報を付加することができます。

その他にも高度な技術が盛り込まれたSmartAR技術の特徴をまとめると
■バーコード情報や位置情報などの特定のフォーマットに従ったマーカーを必要とせず、
 既存のコンテンツに情報を付加することができるマーカーレス方式
■高速動作・認識が可能なためよりスムーズにリアルな3Dを表現可能
■認識対象物がカメラの画角から外れても引き続き情報を表示できるため
 従来よりも大きな空間を対象とした動作が可能
■一度取得した情報は保存可能なので、スマホなどで保存したARデータはその場を離れても確認可能
などが挙げられます。

SmartAR技術の例

統合型 拡張現実感 技術 “SmartAR”

SONYさんのSmartARについての公式紹介動画です。

初音ミクARステージライブ

こちらは ボーカロイドと映像技術 の記事でもご紹介したボーカロイド・初音ミクのライブ風景です。
スマホやタブレット、PlaySt­ation VitaといったSmartAR情報を読み取れる機器を
六本木のメトロハットにかざしてみるとミクさんの3Dライブ映像が楽しめるというイベント。

様々なシーンでのAR技術の応用

現実にそこにある物へ更に情報を付加することの出来るAR技術は、
プライベートな娯楽としてだけでは無く、公共の場所やお仕事の場面でも活躍しています。
■病院の患者さんへの説明用紙にAR情報を付加してより解りやすく立体的な治療説明を記載
■現実の店舗を仮想空間として取り込んでインテリアや内装を試し置きする
■看板や地図に歴史情報や次のおすすめ観光スポットを加えたわかりやすい観光案内
■平面の設備工事図面に立体図面を付与する

その他、災害時の避難経路指示などにも活用が期待されています。
更には教科書への応用も検討され、例えば多面体図形の展開において
展開前から展開後までを動画のように見られるとか、
実際に授業では実験しづらい理科実験を再現する、などですね。
でもそれはちょっとやりすぎというか、本人の想像力が乏しくなってしまいそうで不安ですが(´・ω・`)
私が学生だったら、国語の教科書から山月記の虎や、
鱒二さんの山椒魚なんかが飛び出してきて眠気を覚ましてくれるとか、
英語の発音用に口と舌の動きが見れるとかあったら良かったのになーと思います。

これからどんどん応用が進めば、もっと身近に誰でも使える物になっていくかもしれません。
例えばスーパーに行って、備え付けられたAR対応の眼鏡を掛けて商品を見ると
その産地や生産者情報、含まれるアレルギー物質、安売り情報、
自分がカゴに入れた物の合計金額なんかが目の前に映し出されたら便利ですよね。

ちなみにそんなゴーグル型はエプソンのスマートグラスや、
Google Glassなどが既に存在しています。
Google Glassは日本では未発売なのですが、瞬き一つで映像撮影できる機能があるため
盗撮に使用された事例があり、そのせいでGoogle Glassを着用していると
「なに撮ってんだコラ」と怖いお兄さんに絡まれたり、
「やだあの人、うちを盗撮してるのかしら」とご近所で悪評が立ったりと
使用者の増えてきたアメリカでは問題も多いのだとか。

一方エプソンのスマートグラスの場合は、Android OSを搭載しており
映画や動画をどこでも自由に見られるパーソナルシアターとしての用途を売りにしています。
公共交通機関での移動が多い方や、お家で映画を見るのが趣味の方にとても嬉しい特色ですね。
しかしこれはこれで、どんな体勢でも映画館並の映像が見られたり
ブラウザ閲覧も読書もできるとなったら私はクッションに埋まったままぴくりとも動かない
自堕落生活になってしまいそうで恐ろしいです(n;‘Д‘)
どんな便利な機器も使う人しだいで良くも悪くも、ということですね。

今ではコンタクトレンズ型の開発も行われているようです。
SFがフィクションではなくなる未来がすぐそこに。

拡張現実という名前のとおり、
機械の力を借りて、手の届く範囲を伸ばし
見えるもの聞こえるものを増やし、皆の世界をほんの少し広くする

それがAR技術なんじゃないかと思います。
何にしても使い方ひとつで世の中がもっと便利で楽しくなりそうなAR技術。
今後の発展が楽しみですね。

 良かったら押してみてください♥

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket