文学にまつわるホリデーロゴ

   2014/04/24   icon-clock-o読了時間:約16分1秒

特別なイベントや偉人の生誕記念にたった一日だけGoogleトップページに表示されるホリデーロゴ
その中でも文学にまつわるロゴを、そのロゴの由来と共にご紹介したいと思います。
アニメーションや紙芝居風になっているものもありますので
是非タイトル部分のリンクから実際のロゴをご覧になってみてください。

以下クリックでご覧になりたい各項目へジャンプできます

ジュール・ヴェルヌ 生誕183周年
ヴェルヌの『海底二万里』をモチーフにしたロゴです。
レバーを操作すると海中の風景が・・・

ブラム・ストーカー 生誕165周年
ストーカーの小説『吸血鬼ドラキュラ』のイラストロゴと小説映像化のお話。

夏目漱石 生誕記念
漱石の著作『吾輩は猫である』にちなんだ猫が可愛い。
ついでにネット上で文学作品を読むことができる青空文庫のご紹介も。

芥川龍之介 生誕121周年
さびれた羅生門の風景とその前に腰掛ける人物がいい味を出しています。

小林一茶 生誕250周年
一茶の俳句をモチーフに、珍しく『Google』が平仮名で書かれていることにご注目ください。

『白鯨』 出版161周年
ハーマン・メルヴィル著 『白鯨』の発表から161周年を記念したロゴです。

グリム童話 出版200周年
紙芝居風に赤ずきんちゃんの物語を見ることができるロゴです。

アンデルセン 生誕205周年
こちらは親指姫のストーリーを表現したイラストを見ることができます。

チャールズ・ディケンズ 生誕200周年
『クリスマス・キャロル』『二都物語』などの著者 チャールズ・ディケンズの生誕記念として
彼の作品の登場人物が挿絵のように描かれたロゴです。

ジュール・ヴェルヌ 生誕183周年 Jules Verne’s 183rd Birthday

『海底二万里』 『十五少年漂流記』 『八十日間世界一周』などの有名な小説を著したフランスの小説家、
ジュール・ヴェルヌの生誕183周年を記念したロゴです。
ヴェルヌ
Googleロゴの向こうは海の中。
まるで自分が潜水艦に乗っているかのように右のレバーで視点を動かすことができます。
ネモ船長と一緒にノーチラス号に乗っている気分を味わってみてください。

ブラム・ストーカー 生誕165周年 Bram Stoker’s 165th Birthday

ブラムストーカー
アイルランドの小説家、ブラム・ストーカーの代表作は
皆さんご存知の『吸血鬼ドラキュラ』(1897年発表)です。
青白い肌に鋭い牙を持ち、吸血を行う不死の化け物。
蝙蝠や狼への変身、鳥や獣を従え使役する、鏡に映らない姿、ニンニクや十字架を嫌う。
そんな吸血鬼の特徴を確立し、現代の吸血鬼を題材にした漫画、小説、映画、ゲーム、
ほぼ全ての作品に影響を与えているといっても良い偉大な作品です。

小説から映像へ

ちなみに吸血鬼が日光が弱点であるとされたのは『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922年作成のドイツ映画)からで、
この映画はブラムの死後、ムルナウ監督が非公認の翻案作品として製作したものです。
なぜ非公認かというと小説『吸血鬼ドラキュラ』の版権を持っていた遺族(ストーカー夫人)が
映像化を許可しなかったから。
そこでムルナウ監督は独自の解釈を加え、更に人名や話の筋を変えることで
別物ですよ!と主張して無理やり映画を作ってしまいました。…無茶しますね。

そして案の定、映画の公開後にストーカー夫人は裁判を起こし、
夫人の訴えが認められて『映画フィルムは全て破棄するように』という判決が出ています。
しかしいつの世も法の目を潜り抜けるものはあるようで
完全ではないもののフィルムが残っており、小説の著作権が切れた後に映画は公開されて
今では普通にDVDやBlu-rayとして出回っています。
そのクレジットや内容紹介では、
‘‘ 監督:F・W・ムルナウ  原作:ブラム・ストーカー ’’
となっています。
ブラムさんもムルナウさんもこれを知ったら微妙な気持ちだろうなと思わなくはないのですが。

そして、別物と主張するためにムルナウ監督が加えた『独自の解釈』の一部が
『吸血鬼は日光で滅ぶ』ということだったようです。
今となっては広く認知されている吸血鬼の弱点が非公認の作品から生まれているなんて何だか面白いですね。

私は基本的にワーワーギャーギャーしているゾンビ映画が大好きで
モノクロのサイレント映画を見る機会もそうそう無いので
「今は昼か夜かどっちだ…」 「さっきの場面はどういう意味?」 「吸血鬼たまにしか出てこない」
といった感じで戸惑うことがあり、何だか物足りないような気もします。
解りやすい説明台詞と派手な特殊メイクやCGにすっかり慣れてしまった弊害でしょうか。

吸血鬼のイメージ

皆さんの中にもそれぞれ「これぞ吸血鬼!」という吸血鬼像があると思います。
例えば菊地秀行氏の小説『吸血鬼ハンター”D”』の主人公であるD ( Dは正確には人間と吸血鬼のハーフですが) や
同著者による『魔界都市シリーズ』に登場する吸血鬼の長・夜香、
平野耕太氏の漫画『HELLSING』の主人公であるアーカードが私の思い浮かべる吸血鬼代表です。
もちろん他にも、映画であれば『インタビュー・ウイズ・バンバイア』 『トワイライト』、
ゲームなら『悪魔城ドラキュラ』 『月姫』、
漫画であれば『ポーの一族』 『吸血鬼美夕』 『倫敦魔魍街』 『もしかしてヴァンプ』
『屍鬼』 『彼岸島』 『ロザリオとバンパイア』 『羊のうた』などなど
こうしてみれば吸血鬼の登場する作品は多いですね。というか私 漫画読みすぎですね。

それはさておき、上にあげた作品におおよそ共通するのは
『吸血鬼は美しい姿形を持ち、誇り高く理知的で物静か』というイメージではないでしょうか。
しかし映画『吸血鬼ノスフェラトゥ』で描かれた吸血鬼からはそんなイメージはあまり伺えません。
それもそのはずで、元々の小説『吸血鬼ドラキュラ』におけるドラキュラ伯爵は
‘‘ 荒鷲のような精悍な顔つき ’’ や ‘‘ 饒舌で家事もこなす ’’などの描写がなされているのです。
それを忠実に映像化した『吸血鬼ノスフェラトゥ』は、現代の一般的な吸血鬼像
(映像で言えばクリストファー・リーが演じた貴族然としたドラキュラ伯爵のような)とは
少し離れているかもしれません。
しかし、ブラムさんの考えた、ただ人知を超えた不気味な厄災としての吸血鬼を
皆さんがそれぞれ思い浮かべる吸血鬼と比べながら読んでみるのも面白いのではないでしょうか。

夏目漱石 生誕記念 Natsume Soseki’s Birthday

夏目漱石
漱石の著作『吾輩は猫である』にちなんで、猫がGoogleの『O』を転がし、
『g』が漱石の似顔絵になっているロゴです。

青空文庫『吾輩は猫である』より作品を読むこともできるので
まだ読んだことが無い方は是非。

青空文庫とは

パブリック・ドメインになった作品、つまり経年により著作権が消滅した作品や
著者自身により無償閲覧が許可された作品を、
全国のボランティアの方々が手入力して、テキスト形式もしくはHTML形式で読めるように
無償公開してくださっているサイトです。

・ボランティアの方々が入力、校正を行っているのでどうしても誤字脱字や送り仮名の間違いなどがある
・旧仮名遣いや旧漢字をWeb上の文字コードで再現しきれない
・青空文庫のデータを盗用して電子書籍を作成する業者がいるため他の出版業者の利益を損なっている
・書籍を購入する機会を奪うため書店など販売業者の利益を損なう
といった問題点から批判されてしまうこともあるようですが、
個人的にはそれだけの労力を割いて少しでも文学を広く読んでほしいという熱意が素晴らしいと思います。
それに私は青空文庫で読んで気に入ったものは書籍として購入するので、
販売業者さんにとっては宣伝代わりになっていて良いと思うのですがどうでしょう。

芥川龍之介 生誕121周年 Ryunosuke Akutagawa’s 121st Birthday

芥川龍之介
雨に霞む門の前に男が腰掛けているデザインです。
芥川の『羅生門』の冒頭シーンをイメージしたものですね。
しかしよく見ると何かしらの本を横に積み上げ、手元でも本を開いている風ですし
特徴的な髪型もそれっぽいので、これは作中に登場する『下人』ではなく芥川龍之介本人かも?
更にさりげなく門の壁の枠組みで『GOOGLE』と描いてあるのですが
イラストの中に上手く溶け込んでいますね。

羅生門という作品は、状況によって善人はたやすく悪人になり得ること、
また悪へと傾いていく心の動きなどを表したものです。
学校の国語の教科書で読んだ気がするけど、どんな話だったか忘れたなーという方は、
青空文庫 『羅生門』で読み返してみてはいかがでしょうか。

小林一茶 生誕250周年 Kobayashi Issa’s 250th Birthday

小林一茶
俳人、小林一茶の生誕250周年記念ロゴです。
蛙の居る風景が、珍しく平仮名で書かれた『ぐーぐる』と相まっていい味を出しています。
蛙を題材に一茶が詠んだ句では『やせ蛙まけるな一茶ここにあり』が有名ですが、
これは『悠然として山を見る蛙かな』を元にイメージされたデザインになっていますね。

『白鯨』 出版161周年 161st Anniversary of Moby Dick’s First Publishing

ハーマン・メルヴィル著の長編小説 『白鯨』の発表から161周年を記念したロゴ。
白鯨
この『白鯨』は、異なる訳者・出版社により何度も日本語訳が出版されていて、
原文を重視した田中西二郎訳(新潮文庫より1952年出版)や
阿部知二訳(岩波文庫より1956年出版)は重厚かつ古めかしい文体で綴られているので
(時代の違いもあって仕方ないことではありますが)
中学生くらいの学生さんが初めて『白鯨』に挑戦するにはハードルが高い気がします。
原文が薀蓄の散りばめられた長大な作品なだけに、その文章と雰囲気を忠実に訳したものだと
どうしても難解な言い回しになってしまうんですね。
近年発行された千石英世訳(講談社文芸文庫より2000年出版)や
八木敏雄訳(岩波文庫より2004年出版)あたりが、多少現代語らしく言い換えられ
読みやすくなっていますので取っつき易いかもしれません。
各出版社によってもちろん挿絵も違うので、お好みの挿絵で選んでみるのも良いかと思います。

グリム童話 出版200周年 200th Anniversary of Grimm’s Fairy Tales

ご存知グリム童話はヤーコプとヴィルヘルムのグリム兄弟が編纂したドイツの童話集です。
グリム童話には、狼と七匹の子山羊、ラプンツェル、ヘンゼルとグレーテル、
灰かぶり(シンデレラ) 、ブレーメンの音楽隊、いばら姫 (眠り姫)、白雪姫 、星の銀貨など
多くの有名な童話がまとめられています。
グリム
こちらのロゴでは紙芝居風に赤ずきんちゃんの物語が描かれています。
右側の▲ボタンをクリックするとストーリーが進んでいきます。

アンデルセン 生誕205周年 Hans Christian Andersen’s 205th Birthday

裸の王様、みにくいアヒルの子、人魚姫、マッチ売りの少女…日本でも有名すぎるほど有名な数々の童話を著した、
デンマークの代表的な童話作家であり詩人であるハンス・クリスチャン・アンデルセンの生誕記念ロゴです。
アンデルセン
右下の→をクリックすると場面が変わり、5枚のイラストで親指姫のストーリーが表現されています。
私は親指姫のストーリーを完全に忘れていたのですが、これを見て思い出すことができました。
これは5枚のイラスト全てに『Google』の文字が入っていますのでそこにもご注目!

チャールズ・ディケンズ 生誕200周年 Charles Dickens’ 200th Birthday

ディケンズ
ヴィクトリア朝時代を代表するイギリスの小説家、
チャールズ・ジョン・ハファム・ディケンズの生誕200周年を記念したロゴです。
『オリヴァー・ツイスト』 『クリスマス・キャロル』 『二都物語』 『大いなる遺産』など
ディケンズの作品は世界中で広く読まれており、また映像化や漫画化された作品も多いため
知名度も高いのではないでしょうか。

そんなディケンズの生誕記念として、このホリデーロゴには
彼の作品の登場人物が挿絵風に描かれています。
『Google』の2つ目の『 O 』の位置に居るのが『クリスマス・キャロル』のスクルージおじさんですね。
『 L 』の街灯の下に居るのは『オリヴァー・ツイスト』のオリバー少年とブラウンロー氏でしょうか。
後は1つ目の『 O 』と重ねて描かれている帽子の女性が『二都物語』のルーシーかなと思うのですが…
ディケンズの作品を読まれたことがある方はどれがどのキャラクターか想像してみてくださいね。

ディズニーの『クリスマス・キャロル』

『クリスマス・キャロル』は、頑固で偏屈な守銭奴スクルージおじさんが
三人のクリスマスの精霊と出会い、自分の傍に居る人達の心に気づき、
己を省みて改心する、という話の流れなのですが
私が初めて『クリスマス・キャロル』を知ったのは
小さい頃に見たディズニー制作の短編アニメ『ミッキーのクリスマスキャロル』でした。
その後、中学生になって図書室でディケンズの『クリスマス・キャロル』を見つけ
「ディズニーのオリジナルじゃ無かったのか…!」と衝撃を受けたのですが、それはさておき。
ディズニーのキャラクターによって演じられた『クリスマス・キャロル』は
原作ほどの難しい台詞も無く、話も分かり易く明るい雰囲気で作られているので
クリスマス時期にご家族皆さんでご覧になってみてはいかがでしょうか。

また、同じくディズニーによってロバート・ゼメキス監督、ジム・キャリー主演で映画化された
『Disney’s クリスマス・キャロル』も、原作の雰囲気を再現しながらもディズニーらしく幻想的で、
役者さんの演技をデータとして取り込みCGと融合させて映像にするという手法が上手くマッチしていると評判ですね。

青空文庫ではディケンズの作品(翻訳版)も読むことができます。
クリスマス・カロル
初版刊行が昭和4年なだけあって、言い回しを理解するのにちょっと時間が掛かりますが
充分に原作の雰囲気を大事にして訳されているように思います。

二都物語』(上巻)
こちらは注釈としての★マークが多く、ちょっと見づらいかなという気がいたします。
上巻以降の巻はボランティアさんが作業途中でもありますし、
さっと読んでみて面白そうだなと思われた方は文庫などをご購入いただいた方が良いでしょう。

 良かったら押してみてください♥

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