パソコン液晶画面の故障症状と原因

パソコン画面修理
パソコンの画面に関する故障で一番多いのは暗くなって何も映らない、二番目に割れてしまっただと思います。
私たちとパソコンの間にあって、情報を伝えるために最も重要な露出している部品。
それだけに不意に寿命が来たり、うっかり壊してしまうととても困ります。
そんな液晶画面(液晶パネル)の故障についてざっくりとではありますが故障原因や改善方法、概算の修理料金などをご説明します。

パソコンの画面の仕組み

パソコンの画面は液晶パネルと呼ばれるもので、その名のとおり液体と固体(結晶)の中間に位置する『 液晶材料(液晶組成物)』を使って作られています。
液晶を基板で挟んでサンドイッチにして封じ込め、更に光の加減や液晶材料の動作を操って文字や絵を表示させるため導光板、偏光板などが重ねられています。
これら全てをまとめて一つの『 液晶パネル 』と呼んでいることが多いですね。
バックライトとパネルの造り

液晶を照らしているバックライト

液晶パネルの中では、サンドイッチにした液晶に対して「 全員整列!! 」 と電圧で合図して整列させ透過・非透過を変えたり「 今から赤い板に光を当てるから赤を出して 」と光らせてみたりして、あなたが見ている画面に様々なものを表示させています。
そのため、電源部品がおかしくなったり途中で断線が起きて電圧異常が発生した場合や、後ろから光を出しているライトが切れた場合などには何にも画面に出なかったり、表示がおかしくなったりといった故障状態になります。
バックライト不良の症状一例
通常、液晶パネルの光源であるバックライトには直径が2mm程度の蛍光ランプ(冷陰極管=CCFLランプ)が使われています。
このランプもご家庭で使われている蛍光灯と同じように寿命があります。
お使いの環境や機種、各部品仕様などによってその寿命は異なりますが個人的に今まで使ってきた機種で言えば、毎日仕事で8時間使用したとして2~3年はほぼ確実に持ちます。
そこから先は運や他部品との兼ね合いなのではっきりとは言えませんが昔のシンプルで頑丈な機種であれば8年以上もつことも。
逆に高温環境での長時間連続使用など、使用状況によってはあちこちの部品が傷み、それがバックライトまで波及して1年程度の短期間で劣化・破損してしまうこともあります。

バックライトが古くなると

パソコンを長く使っているとだんだんバックライトも経年劣化していきます。
ランプ自体の光が弱くなり、輝度が落ちて画面が赤っぽくなったり、光の持つ青みが無くなるために画面上は黄色っぽく見えたり、チラチラとちらついて画面が見づらくなったり。
最終的には寿命が来て真っ暗になり画面に何も映らなくなってしまいます。
寿命でなくても、うっかり落としたりして衝撃を与えると内部でランプが割れてしまって光らなくなることもあります。

これがご家庭の照明器具なら替えのランプにご自身で交換していただくのも簡単なのですが、パソコンの場合は分解や交換に工具や知識と技術が必要なためご自身で交換するのはなかなか難しいものです。
また、ランプ自体が直径2mm程度の細くて割れやすいものであるためご自分で交換しようとせっかく入手したランプを力加減を間違えて割ってしまったり、割れた破片でお怪我をしてしまったりすることもあります。

そして最近はCCFLバックライトではなく、LEDランプをバックライト光源に使用したパソコンも増えてきました。
LEDの場合は液晶パネル丸ごとの交換になることが多く、通常のノートパソコンのパネルの場合の交換修理料金はおおよそ2~3万円です。

バックライトとインバーター

インバーターはバックライトを点灯させるためにパソコンの動作回路に使用されている低電圧電源を数百ボルトの高電圧に変換する回路です。
バックライトとインバーターはセットで動作しているので、バックライトが傷んだまま「 画面が暗いけどまだ何とか使えるし…」ときちんとバックライトに電圧が伝わらない状態で使用を続けているとインバーターまで破損が及んでしまうことがあります。
またその逆にインバーターが傷んだ状態で「 画面が映らない…壊れた?再起動を繰り返してたら直るかな? 」と何度も電源のON/OFFを繰り返すとバックライトに異常電圧が伝わって、バックライトまで焼損してしまいます。

こうしてバックライトとインバーター両方が破損してしまうと当然両方の修理料金がかかることになってしまいます。
たとえば弊社の場合ですと、使われているバックライトの本数や仕様にもよりますがバックライトもしくはインバーターどちらかの不具合であれば修理料金は¥10,000~15,000前後、両方の修理となると¥16,000~20,000前後となります。
もしも不具合が発生した場合には、すぐに使用を控えていただいて、出来るだけお早めに修理をご検討くださいね。

液晶が割れてしまった…!

運んでいる最中にうっかり落とした。
ちょっと高さを変えようとして倒した。
マウスやペンを挟んだまま閉じてしまった。
子供に踏まれた。などなど。

不意にやってくるショックな出来事。それが液晶パネル割れです。
特にノートパソコンは持ち運んで使うことが多く、また画面を開閉する機会も多いために液晶割れが起こりやすいと言えます。
モニタ一体型のパソコンも、スタンドの形によっては前に倒れやすいものがありますのでご購入の際やご使用の際には注意が必要です。
液晶パネル割れの症状一例
液晶はドロドロした油状の透明な組成物ですし、パネルは各部品が重ねられていますから、万が一 パネルが割れても、バシャッと液体が出てくる!というようなことにはなりません。
ですが微妙に液体ではあるので、割れたままほっておくと少しずつ少しずつ中で漏れ出してじわじわ黒い部分(何も映せなくなった部分)が広がってくることも。ちょっと怖い現象です…。

液晶パネルの交換

液晶パネルが割れてしまうとパネルそのものを交換するしかありません。
最近ではオークションやPCパーツショップで液晶パネルのみ販売されていることもあるのでご自身で入手してチャレンジする方もいらっしゃいますね。ただその方たちも、まずはどうなっても構わない古いジャンクPCなどで分解交換の練習をされて知識や技術を重ねたのだと思いますので、今まで経験の無い方がいきなり挑戦するにはハードルが高いと思います。
それにもしお買い替えを検討されている場合には一度分解破損してしまった機種だと下取り価格が下がることもありますので、「 元から捨てるつもりだからどうなっても大丈夫 」という機種で中古部品などが安く入手できそうならダメ元で挑戦するのであればアリかなと思います。

弊社のような修理業者に液晶パネルの交換をご依頼いただく場合にはまずパソコンの型番や状態をお知らせいただいて概算のお見積もりをお取りください。
メールやお電話でのお問い合わせの段階ならほとんどの業者さんが無料でお見積もりしてくれるはずなのでホームページの雰囲気などで良さそうなところに複数問い合わせてみて比較検討してみましょう。

弊社の修理料金ですと中古リフレッシュ品のパネルと交換する場合は ¥13,000~¥30,000-程度、新品の液晶パネルと交換する場合は ¥13,000~¥40,000-程度です。
価格に結構な幅があって分かりづらくて申し訳ないのですが、機種によって使われている液晶パネルが異なり、そのパネルの仕様や流通状況により価格が異なります。
ご依頼時の部品流通状況によっては中古リフレッシュ品のみ手配可能な場合や、逆に新品パネルしか入手できないこともあります。
LEDバックライトの液晶パネルの場合は新品交換のみ対応可能です。

薄型機種のパネル交換

基本的には大きな液晶であるほど、新しい機種であればあるほど高価になります。

特に最近人気の薄型軽量機種、Ultrabook (ウルトラブック)と呼ばれている機種は薄さ、軽さを重視したぶん頑丈さや排熱効率が通常のノートPCに比べて劣るため、液晶を割ったり、熱で基板が破損したりといった故障が若干多い印象です。
しかも新しい機種ですので部品の流通が少なかったり、その機種独自の設計のため互換部品を受け付けなかったり、分解修理がかなり困難だったりという理由から、いざ修理ともなれば他の機種に比べて高価になってしまいます。
パネルの修理料金で言えば¥20,000~40,000くらいでしょうか。
4万円となると修理するかどうかちょっと悩ましい金額。

元から修理することは考慮していないようなウルトラブックの造りを見るにつけメーカーさんの「 壊れたらまた私のところで新しいのを買えばいいじゃない!ホーホホホホ! 」という悪い貴族のような心の声が聞こえます。
AppleのMacもそれに近い感じで「 壊れたらウチに持って来い。そのへんの修理業者なんかにこの芸術作品を扱わせてなるものか 」というジョブズさんの主張が聞こえそうな機種が多いですね。 
Ultrabook機種やApple機種をお使いの方は故障や破損を予め防げるように出来るだけ大切に扱ってくださいね。

液晶割れの原因に心当たりが無い場合

前日までは普通だったのに、今日起動したら割れていた。
気づいたらいつの間にか液晶が割れていた。

お客様からそういったご相談をいただくことがございます。
何かを挟んでしまった覚えも無いし、落としたりしてないし…なのになんで割れてるんだ!?と心情的に物凄く納得がいかない故障なのですが、こういった場合の原因は、残念ながらほとんど全て『 気づかずに液晶に負担を掛けていた 』ことです。

天板の開閉

ノートパソコンの場合、電源を切ったら天板(上面)をパタンと閉じ、また使う時に開くという方が多いかと思います。(開きっぱなしの方もいるかもしれませんが、ホコリが内部に入り込んでしまうので、出来れば閉じていただきたいところです)その時、こんな ↓ 感じで画面の上の端っこを片手で持って開閉していませんか?
片手で開閉1
「あーやっと仕事終わったー!」という勢いや、 「眠い…限界…」 といったボンヤリした状態で片手でパソコンの天板を閉じた時。
ついつい力が入り、勢いよく閉じてしまうことがあります。
逆に開く時も、片手で無理やり開けようとして底面が浮いて後ろに倒れそうになったりすると本体分の重みが抑えた箇所に加わります。
更に片方の端っこを持っていることによって、液晶にひねった力が加わってしまいます。

一度や二度であればそうそう液晶も壊れたりはしませんが、日常的にそれを繰り返せば、持っている一点と、ひねった状態になっている箇所に負荷が掛かり続け、その内に限界が来て破損し、何をした訳でもないのに気づけば割れている、といった現象に繋がります。
出来る限り画面上部の両側を持って、ゆっくり開閉してくださいね。
両手で開閉

機種によっては両手での開閉が難しい場合もあります。
その時は出来るだけ真ん中を持ってゆっくり開閉してください。
片手で開閉2

 天板の圧迫 
開閉による破損の他にも、天板の圧迫も割れの原因となります。
ノートパソコンを閉じた上にマウスパッドやマウス、ノートやファイル、雑誌、etcを乗せたことはありませんか?
PCを持ち運び用のバッグに入れた状態で満員電車に乗ったり、上面にアダプターやマウスが当たる状態でバッグに入れたりしていませんか?

ノートパソコンの天板はある程度の圧迫であれば耐えられるように造られていますが、それも『ある程度』なので限界があります。
ファイルなどの荷物を一緒に入れてぎゅうぎゅうになったPCバッグの中でアダプターの角などが天板に当たると、限界を超えてパネルが割れてしまいます。

マザーボード不良による表示不具合

画面表示がおかしくなった時、その原因として考えられるのはバックライトや液晶パネルそのものの不良だけではなくマザーボードの不良である可能性もあります。

マザーボードとはパソコンの内部基板で、ここにパソコンを動作させるにあたってとても大切な部品が載っています。
こういうの ↓ がマザーボードです。
マザーボード
液晶表示をコントロールしているグラフィック部品もマザーボードに有ります。
そのためマザーボードが高熱破損したり、水濡れによって腐食したりすると液晶表示の不具合が発生することがあります。
液晶パネル・マザーボード不良の症状一例
◆何も画面に映らない、映ってもすぐに消える
◆色彩の表示がおかしい
◆砂嵐のような画面の乱れがある
◆縦線や横線、縞模様が表示される
こんな時は液晶パネルの不良や、液晶ケーブルの不良、もしくはマザーボード不良の可能性が高いですね。

マザーボード不良の場合は
・グラフィック表示に関わるマザーボード部品が壊れて何も映せなくなった、もしくは正常な表示ができなくなった
・マザーボードの電源部品が壊れて起動そのものができなくなった
などの状態と考えられます。

故障状況にもよりますが、一般的なパソコンのマザーボード修理の場合修理料金は¥15,000~25,000程度です。
これは元々マザーボードに載っている部品の違いや、破損の度合いによって料金が変わります。

ただし、飲み物をこぼしたまま使い続けて腐食がかなり進行している場合や、高熱による破損が全体に及んでしまっている場合、各部品の取り外しが不可能な設計になっているマザーボードの場合などは修理では改善しきれず、マザーボードの交換が必要になることがあります。
その場合は修理よりも料金がかさみ、修理の日数も掛かってしまいますので不具合が出始めたらできるだけお早めに診断・修理をご検討ください。

いずれの症状であっても、出来るだけ迅速に修理していただいたほうが破損部品が少なく、修理も安価に早く済む可能性が高いので、お買い替えではなく修理をご検討される際にはお早めにご相談いただければと思います。
お使いのパソコンの機種型番と故障状況をお知らせいただければおおよその修理金額をお出しすることができます。

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