台湾の郵便番号・住所・宛名の書き方

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先日 【海外発送】EMS(国際スピード郵便)のラベル記入と発送方法【台湾宛】EMSのラベル記入方法の記事で、台湾へEMSで荷物を送る方法についてご説明しました。
今回は台湾の郵便番号の調べ方住所と宛名の書き方などを、より詳しくご紹介したいと思います。

宛名とエアメールの基本

台湾への手紙や荷物の宛名は、漢字もしくは英語、どちらで書いても大丈夫です。

また、手紙の場合は『 VIA AIR MAIL 』(=By AIR MAIL)と封筒の左下部に青か黒ではっきり書くか、郵便局でもらえる『 AIR MAIL シール 』を貼りましょう。
VIA AIR MAIL
目立つように赤で書いたほうが、と思われるかもしれませんが、郵便局が『 青か黒 』と言っているので、できれば決まりに添って書いたほうがいいと思います。
請求書在中や履歴書在中といった赤で書かれる封書の注意書きは他にも多いので、青で書いてもらうことで区別したいということもあるのかもしれませんね。

漢字で書く台湾への宛名

例としてサザエさんちのタマが台北のサンリオショップにいるキティちゃんに宛てた場合。
まずこれが普通に書いた日本語の住所。
差出人;
〒154-0015
東京都世田谷区桜新町あさひが丘3丁目
磯野タマ

受取人;
郵便コード 10090
台湾 台北市 中正区 汀洲路三段 199号1楼
台湾サンリオ公式ショップ
ハローキティ 様

漢字(繁体字=正体字)だと宛名はこうなります。
 ※繁体字と簡体字の違いなどは下記の繁体字と簡体字の違いの項目をご覧ください。
差出人(自分)は日本語のままで構いません。
エアメール宛名記入例-台湾02漢字ai
この例で言うと、住所は【台北市 中正區 汀洲路三段 199號1樓】。
日本の常用漢字にすると【台北市 中正区 汀洲路三段 199号1楼】。
ちょっと読みやすくなりましたね。

これはどちらで書いても理解してもらえるので、練習として難しいほうで書くも良し、ささっと簡単な方で書くも良しです。
一番良いのは 『 相手が教えてくれたとおりに書く 』 ことです。
一番間違いがなく、相手にちゃんと届く住所を教えてくれるでしょうしね。

もし会社や店舗に送るのであれば「 普段メールに書いてある住所は繁体字だけどホームページで確認したら簡体字だったからどうしよう 」ということがあり、気を使って繁体字にしようか、簡体字にしようかと悩むこともあるかもしれません。
そんな時は台湾で主に使われている繁体字で書けば良いでしょう。
また、繁体字や簡体字ともまた違う部分がある日本の漢字ですが、もしうっかり日本の漢字で書いたとしてもだいたい台湾のひとには通じます。

それでは国名の部分から順番に確認していきましょう。

国名 『 TAIWAN 』 と記入

まず最初にエアメールの基本に則って『 TAIWAN 』と英語で書きます。

日本の外交上、台湾は厳密には国ではありません。
国としての権利と独立性があり、台湾国だと認めている他国もあるのですが、残念ながら日本は台湾を国と認めると中国との関係的に微妙なので『台湾は台湾として扱ってるけど、国と認めて国交を結ぶわけには…』という状態のようです。
ただ私の個人的な印象でいうと、中国と台湾は全くの別物ですし(国民の人間性が全く違う)、事実上の独立国家ならそれに敬意を払わないと失礼じゃねえの、と思うので漢字で書く際にも【台灣國 台北市 ・・・】と記載することにしています。
まあそこは個人のお好みで【台灣 台北市 ・・・】と記載してもいいですし、どちらでも間違いではありません。

また、漢字で書く場合は以下のいずれでも通じますが『台湾』は日本人が読みやすく書きやすいようにこうしているだけなので、台湾の人達が使っている『台灣』『臺灣』のどちらかで書くといいですね。
台湾・台灣・臺灣
灣は繁体字(台湾や香港で使われている漢字)、臺は簡体字(中国で使われている漢字)なのですが、両方の漢字が混在している『臺灣』が一般的なようです。
私は繁体字だけちゃんと書けばいいかなと『台灣』にしていますが、その辺りはお好みで。

郵便コードを調べる

国名の次に郵便コードを書きますが、分からなければ書かなくても構いません。
住所さえきちんと書いていれば届きます。

相手に聞き忘れたから試しに自分で調べてみようかな、という時は、まず 台湾 郵便番号検索サイトに行きます。

①郵便番号を知りたい都市名を探します
台北市=臺北市のように、私達の見慣れない簡体字になっているので要注意。

②市内の地名を探します。
今回の例で言えば台北市中正區汀洲路三段199號1樓なので、臺北市をクリックし、中正區を探してクリック、汀洲路3段の中でも199號が含まれる地番の項目を探すことになります。
台湾の郵便番号検索方法
こつこつ見ていくのも大変ですし、できることならあらかじめ相手に郵便番号を教えてもらうのが一番ですね。

地名からの検索は簡体字か繁体字で

この郵便番号検索サイトは簡体字か繁体字の文字コード指定をしているようで、日本語の文字コードでは検索をかけることができません。
繁体字か簡体字への変換サイトなどを使い、コピー&ペーストで貼り付ければ検索することができます。

例えばこんな感じで、見た目は同じ漢字でも、文字コードが違うと検索結果が違います。
不思議なものですね。
台湾の郵便番号検索04文字コードの違い

住所を記入

国名から後の住所は日本と同じように、まず県や市が来て、町にあたる地名や村、建物名や番地が続くので分かりやすいかと思います。
日本と台湾の住所表記で異なる点は、地名ではなく道路の名前が基準になっていることでしょうか。
大雑把に図にするとこんな感じ。
台湾の住所表記

住所の表記

台湾(台灣・臺灣)の次には 『 縣(県) 』・『 市 』 の都市名があります。
よく聞くところだと花蓮県、金門県、台北市、台中市、高雄市などがあります。

台北市や高雄市のような比較的大きな市であれば、『 市 』 の次に 『 區(区) 』 が、更に 『 里 』、『 鄰 』 と続くこともあります。

『 縣(県) 』の次には 『 鎮 』⇒『 里 』 、もしくは 『 郷 』⇒『 村 』 が置かれ、『 里 』と『 村 』の次は 『 鄰(隣) 』 と続くこともあります。
『 鄰(隣) 』は ●●村■■鄰55號 といったように、主に大きな通りがない田舎の住所に使われます。

また、道路とそれに面した地域の名称として『 大道 』・『 路 』・『 街 』・『 段 』・『 弄 』・『 巷 』 があり、更に細かい番地や階層を表す 『 號(号) 』・『 樓(楼) 』・『 之 』 があります。

大道・・・片側2車線以上のとても広い道路。日本でいうなら県庁所在地のメイン道路みたいな感じ。
・・・片側2車線以上の比較的大きな道路。大道よりは狭い。
・・・路を道路の区切りごとにブロック分けしたもの。
・・・路よりもやや狭い道と、それに囲まれた地区。
・・・『 街 』や 『 路 』 とほぼ直角に走る道路や通路。
・・・『 巷 』 から分岐する道路や通路。

號(号)・・・巷と弄に面する路地や建物にふられる番地にあたるもの。
樓(楼)・・・階数。建物の2階なら2樓、地下一階ならB1樓(地下一樓)と表記します。
・・・100號之1、8樓之2といったように更に細かい番地や部屋番号を表します。

住所と地番

今回の例でいうと台北市中正區汀洲路三段199號1樓なので、台北市 中正区の汀洲路っていうそこそこ大きい通りの第3ブロックの199番地の1階、となります。

地番は通りの角や店舗の壁に標識があったりします。
台湾の番地標示4
台湾の番地標示

名前と敬称

今回の例で言えば 『 哈羅凱蒂 小姐 收 =ハローキティ 様 』 と書いてあります。
なんかキティちゃんの名前が世紀末覇王伝説に出てくる悪役みたいなゴツさですが、それはさておき。
『 小姐 收 』 の部分が女性に対する敬称にあたります。

●●收(収)=●●宛

『 ●●收(収) 』は『 ●●さんが収めてください 』という意味で、日本語では『 ●●宛 』くらいの意味になります。
これだけでは敬称にはならない(様付けしたことにならない)ので、相手が身内や仲の良い友人でないのであれば、きちんと敬称も付けましょう。
逆に言えば、家族やとても仲の良い友人なら『 收 』だけで構いません。

敬称を付ける

男性に対しては『 先生 』、女性に対しては『 小姐 』を付けます。
中国だと女性に対しては少し堅苦しい言い方で『 女士 』を使うこともあるようですが、台湾ではあまり一般的ではないようなので、女性には統一して『 小姐 』で良いかと思います。
というわけで『 先生 收 』 、あるいは『 小姐 收 』で『 様宛て 』という意味になります。

繁体字と簡体字の違い

繁体字(正体字)と簡体字(简化字)、それぞれで使われる漢字の違いは台湾への宛名を書くにあたって覚えておいたほうが良い部分なので簡単にご説明します。

中華圏で使われる漢字には、繁体字と簡体字の2種類があり、国によって使われている漢字が異なります。
大雑把にわけると、私達日本人が普通に(あるいは何となく)読める漢字が繁体字私達が読めない変わったデザインの漢字、もしくは簡略化されすぎて何だかよく分からない漢字が簡体字です。
もちろんこの二種類に共通して使われる漢字もあります。

当然ながら元々は同じ漢字だったのですが、1956年頃に中国が「 画数少ない方が実務的にもラクだし、識字率も上がるんじゃない? 」 という文字改革を起こして簡体字が制定され、現在の中国では簡体字のみが教育されています。
そうして中国と、シンガポール(人口の4分の3が中国系)やマレーシアでは簡体字がメインとなり、台湾・香港・マカオ・アメリカの華僑などでは昔のままの繁体字が使われるようになりました。

日本でも戦後の1946年頃からGHQの政策によって旧漢字から新漢字に切り替わりましたね。
私達が「 旧字体は難しいけどまあ読めなくはない。漢文も習ったしな! 」というのと同じで台湾のひとも「 普段は繁体字だけど、なんやかんやで簡体字も使ってる所あるし読めなくはない 」という感じなのかもしれません。

簡体字と繁体字で共通して使われる漢字の一例

日本語;~できる
中国の簡体字;可以 ~
台湾の繁体字;可以 ~

日本語;家内安全
中国の簡体字;全家平安
台湾の繁体字;全家平安

簡体字と繁体字で全く違う漢字が使われる一例

日本語;広
中国の簡体字;广
台湾の繁体字;廣

日本語;歓迎
中国の簡体字;欢迎
台湾の繁体字;歡迎

日本語;パーソナルコンピュータ(パソコン)
中国の簡体字;个人计算机
台湾の繁体字;箇人計算機

日本語;ハードディスクドライブ(HDD)
中国の簡体字;硬盘驱动器
台湾の繁体字;硬槃驅動器

日本語;~の為に
中国の簡体字;为 ~
台湾の繁体字;為 ~

こうして見ると、やっぱり繁体字の方が日本人には理解しやすいですよね。
台湾や香港でも、中国が強引に進めた漢字の簡略化に思う所はあるようで、「 愛は簡体字で爱になり、心が無くなった 」「 麵(うどん)は簡体字で面になり、麵包(パン)は面包になった。さすが中国、うどんにもパンにも小麦を使っていないのか 」というように、その文字の意味を示す重要な部分を削ぎ落とした点を揶揄されることがあります。
中国の人達は急いで先進国になろうと実利を追いすぎて、元の漢字の成り立ちを考慮しなかったことで、自分たちの国が生み出した素晴らしい文化を手放したのではないかと少し悲しく思えますね。

英語で書く台湾への宛名

英語だとこうなります。
エアメール宛名記入例-台湾01英語

英語で住所を書く

英語の住所の書き方などは中学で習うので、皆さん覚えていらっしゃるかもしれませんが名前⇒建物や店舗名⇒住所を逆から⇒郵便コード⇒国名 の順番ですね。
以下に例としていくつか日本の住所や企業名を英語にしてみます。

台湾 台中市 大雅区 科雅路 50号2階
 2F, No.50, Keya Rd., Daya Dist., Taichung City 42881, Taiwan

台湾 花蓮縣 新城鄉 佳林村 6鄰 佳林 150之1號
 No.150-1, Jialin, Xincheng Township, Hualien County 97146, Taiwan

台灣 高雄市 鼓山區 大順一路 111號
 No. 111, Dashun 1st Rd, Gushan District, Kaohsiung City, 804, Taiwan
 ちなみに上の2つは適当に番地を書いた住所ですが、この住所は台湾のコストコの北高雄 (大順店)です。
 コストコは『 好市多 』と書きます。英語の『 コォスコ 』という音に合わせた当て字だと思うのですが、ちょうど『 多くの物がある市場で好き 』になっているところがいいなと思います。

英語の敬称

念のために英語の敬称が間違っていないか確認しましょう。

一般の方なら男性=ミスター『 Mr. 』女性=ミズ『 Ms. 』でかまいませんが、職種や地位によって敬称が変わることがあります。

医師や博士= ドクター『 Dr. 』
大学教授= プロフェッサー『 Professor 』
男爵や騎士などの爵位をもつ男性= サー『 Sir 』
男爵や騎士などの爵位をもつ女性= マァム 『 Ma’am 』
などが代表的な立場によって付く敬称ですね。

手紙の書き出しに書く 「 親愛なる●●へ 」 の部分はそれぞれ、
Dear Mr.Isono,
Dear Ms.Isono,
Professor Isono,
Dear Sir Tama Isono
Dear Ma’am Tama Isono
といった感じになります。

爵位に関する敬称については、台湾に貴族制度は無いので使うことも無いと思いますがついでにご紹介しました。

女性に対する敬称

女性の敬称については、昔は既婚女性なら『 Mrs. 』 、未婚女性なら『 Miss 』という敬称もあったのですが、近年では「 男は未婚でも既婚でもミスターなのに、女だけ結婚で敬称が変わるって舐めてんのか、ああん!? 」という怒りを買うことがあるので、相手の方の主義主張にもよるでしょうが、とりあえず『 Ms. 』と書いておくことをおすすめします。

Esquire(エスクワイア)

相手の性別がよくわからない(名前から男女の区別がつかなかった)時には『 Dear Jessie Smith ,Esq. 』というふうに書きます。
メールのみのやり取りのビジネス相手など、あまり知らない相手だとこういうこともあるかもしれませんね。

サーとマァムの使われ方

上でも書いたように、台湾には貴族位が無いので今回の内容には関係ありませんが、ついでにご説明してみます。

『 Sir 』と『 Ma’am 』は、爵位どうこうに関係なく、目下の人間から目上の人間への呼びかけでも使われます。
生徒が教師に、店員が客に、敬意を込めて使う呼びかけで普通に使われています。
イギリスやアメリカなどの英語圏でサーやマァムと呼びかけられたとしても
「 サーって…そんなに偉そうに見えたのかな 」
「 マァムって呼ばれるほど老けて見えるのかしら 」
と落ち込まなくても大丈夫ですよ。
相手はただ丁寧に呼びかけてくれただけです。

また、爵位ある相手への手紙の宛名の敬称として『 Sir 』と『 Ma’am 』を使う場合、その後にはフルネームを続けないと失礼に当たります。
つまり、サー・クリストファー・リー(ドラキュラやサルマンを演じた俳優さん)に宛てたものの場合『 Sir Lee 』ではなく『 Sir Christopher Frank Carandini Lee 』 、もしくは短くしたとしても『 Sir Christopher Lee 』が正しいということですね。
それにしてもサー・クリストファー・リーが亡くなられたのは本当に残念でした。

ちなみに自分と相手の地位の違いによってサーやマァムでもアウトで、マイ・ロードとかユア・レディシップとかユア・グレースとかなんとかかんとか。
そんな高貴な御身にお手紙やEMSを送ることもそうそう無いかと思うのでここでは省きますが、中世ヨーロッパや異世界モノの映画・小説などがお好きな方は、爵位と合わせてちょっと詳しく調べてみると、より作品の世界を楽しめるかもしれません。
ドラキュラ伯爵と城

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