Happy Halloween 2017 【ハロウィンの起源とアイルランド】

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ハロウィン2017
ハロウィンとは、2000年以上前の古代ケルトにおけるSamhainの祭りが起源であり、
古代ケルトの人たち(現代で言えばアイルランドの辺りの人たち)が
ドルイド教の暦に基づいて10月31日を1年の終わりとし、死の神サムハインを祀り、
新しい年と冬の訪れを迎える準備をしていた祭事が元となっています。

ケルトで生まれ、少しずつ世界に広がっていったハロウィン。
近年は日本でも仮装パレード、かぼちゃのお菓子、オレンジの雑貨、といったように
秋の一大イベントとして広く認知されるようになってきました。

なんか良く分からないけどハッピーハロウィン!という方も多いかと思いますが
せっかくの機会ですから是非、下記でより詳しくご紹介するハロウィンの起源や
アイルランドの文化にも想いを馳せてみてください。

 目次 

ハロウィンの起源
  ∟仮装の意味
  ∟キリスト教への併合・Halloweenという名称の由来
カボチャのお化け ジャック・オー・ランタン
  ∟ウィル・オー・ザ・ウィスプの伝承
日本でも馴染み深いアイルランド文化
毎年恒例・ハロウィンのGoogleホリデーロゴ

ハロウィンの起源

2000年以上前の古代ケルトにおけるSamhain(サムハイン、もしくはサウィン)の祭りが起源とされています。
ケルト民族は現代で言えばアイルランド、スコットランド、ウェールズ、
コーンウォール、一部ブリトン人などがその系譜です。

古代ケルトの人たちはドルイド教の暦に基づいて10月31日を1年の終わりとし、死の神サムハインを祀り、
新しい年と冬の訪れを迎える準備をしていました。
また、サムハイン祭の夜は冥界から出てきた死者の魂が親族を訪ねてくると考えられていました。
日本の大晦日とお盆が合わさったようなものですね。

アイルランド大使館のTwitterでは可愛い動画でその由来の紹介が、
更に大使館サイトではハロウィン特別コーナーが設けられているので
是非そちらも合わせてご覧ください。



仮装の意味

10月31日の日没の瞬間、冥界の扉が開くと死者の魂は家を目指し、
同時に悪い精霊や悪霊や魔女もちゃっかり一緒に出てきて人に悪さをしようとします。
そのため人々は魔除けの焚き火を焚きながら、
「 いや、私も魔物なんで。ほらこの格好見てくださいよ。こんな人間いないでしょ?ね? 」 と
恐ろしい扮装をすることで、悪霊の禍いや魔女の呪いを受けないようにしていました。
これがハロウィンの仮装の由来です。
木を隠すなら森の中、もしくはゾンビが怖けりゃゾンビになれ、みたいなことでしょうか。

ちなみにケルトの精霊の一部が Sith(シー) と呼ばれます。
様々な精霊の中でも人にイタズラをするものであったり、
怒らせると災いを呼ぶ妖精などが特にシーと呼ばれているようです。
ケット・シー(二本足で歩き人語を解す大きな猫型精霊。いじめると怒って人を猫の国へ攫う)

バン・シー(家につく精霊で、家族に死者が出ると嘆き悲しみすすり泣く。家人を敵とみなしていた場合は勝ち鬨をあげる)

リャナン・シー(若く美しい女性の姿で、人間の男性に愛を請う。求愛に応えると詩や歌の才能をくれるが、代わりに生命力を吸い取られて早死にする)

ディーナ・シー(アイルランドのあらゆる場所に住むとされる妖精。フィアナ騎士団の英雄が姿を変えたものとも言われる) など


こういった精霊に対抗するための仮装と思えば現代の仮装で多い猫耳や
お姫様風のドレスやファンタジーな騎士姿なんかも、本来の意義から
そんなに離れていないのかもしれませんね。

キリスト教への併合・Halloweenという名称の由来

その後、ケルトにはキリスト教が布教されてケルトの神話とドルイド教をほぼ消滅させ、
『 あまり現地のひとの文化を奪って反発されても困る 』 と一部をキリスト教に取り込んでいくのですが、
その過程で取り込まれたサムハイン祭がキリストナイズされたものが現代のハロウィンの元となっています。
キリスト教に消滅させられた部分を考えるととても残念ですが、口伝神話や口伝経典が主だった
ケルトの文化からすると、他の宗教に取り込まれつつも現代まで残った風習があるのは
ある意味で幸運だったとも言えるかもしれません。

そして幽霊に食べ物やワインを供えるというサムハイン祭の風習が
キリスト教の万聖節の次の日(11月2日)に万霊節として家々を巡り、
鎮魂の祈りを捧げる代わりに食べ物を貰う行事と混ざり合い
最終的に現代の『 Trick or Treat? (お菓子をくれなきゃイタズラするぞ) 』という
お約束のセリフとともに子供たちがお菓子を求めて家々を巡る風習となりました。

また、ローマ神話における果実や果樹を司る女神ポーモーナを祀る行事がたまたま11月1日頃だったため、
紀元前1世紀頃にローマがケルトに侵攻してきて文化が入り混じるとともに
この女神の祭りもケルトに伝わります。
ポーモーナの名前はリンゴという意味であり、ポーモーナの祭りはリンゴを象徴としていました。
これがハロウィンのリンゴ食い競争『 ダック・アップル 』の由来とされています。
ダック・アップルは大きめのたらいに水を張ってリンゴを浮かべ、手を使わずに口でくわえて
リンゴを取るゲーム。日本ではあまり見かけないのですが、ちょっとやってみたい。

ハロウィンのイメージカラーがオレンジと黒であることや、
様々な悪い精霊や魔女を模した仮装などを思い浮かべていただくと、
キリスト教とはどうも雰囲気が違うような気がしますが、それもそのはずで
ケルトのサムハイン祭を完全に取り上げるわけにもいかなかったキリスト教(カトリック)が苦し紛れに
「 天国にいる諸聖人を讃える11月1日の『 諸聖人の祝日(万聖節) 』、の、前夜祭がこの祭りです…!
  ていうかそういうことにしてください! 」 と定めたために
キリスト教とは毛色の違う祭りが残ったようです。
All Hallows(万聖節)のeve(前夜)ということで『 Hallows eve 』、
これが訛って Halloween となりました。

しかしこれはカトリックの人達が『 それじゃそういうことで! 』と決めただけなので
プロテスタントの人達から『 そんなん知らんがな。つかそれ魔女崇拝とか悪魔崇拝に近くね? 』という
反発を招き、プロテスタント派が多い国ではほぼハロウィンは行われないのだとか。
汝の隣人を愛せよ、というならカトリックもプロテスタントもキリスト教徒として
仲良くすればいいのになあ…と思うのですが、そうもいかないのが宗教対立なんでしょうね。

そうして時が過ぎ、19世紀にはケルト民族の子孫であるアイルランド人や
スコットランド人の多くがアメリカという新天地へと旅立ち、
彼らアイルランド系移民の間で行われていたハロウィンの祝祭がアメリカに広まり
アメリカが力を増すとともに20世紀には世界中に広まることになりました。
 ⇒アイルランからアメリカへの移民については
  聖パトリックの祝日とアイルランド文化についても合わせてご覧ください。

カボチャのお化け ジャック・オー・ランタン

ジャック・オー・ランタン
ハロウィンで一番よく見かける、カボチャをくり抜いて顔を象った灯りです。
英語で書くと “ Jack-O’-Lantern ”。日本語でいうと “ ジャックの提灯 ”。

ウィル・オー・ザ・ウィスプの伝承

ジャック・オー・ランタンはそもそもウィル・オー・ザ・ウィスプ(Will o’ the wisp)の伝承
由来していると言われています。ウィスプは日本でいう鬼火、火の玉で、
ウィル・オー・ザ・ウィスプは『 ウィル(ウィリアム)の火の玉 』ですね。

昔々、今で言うスコットランドあたりにウィルという鍛治師がいました。
ウィルは飲んだくれの上にイタズラ好きで嘘つきで乱暴者でした(これは酷い)。
悪魔からするとなかなか見所のある悪どく美味しい魂をもつウィルに、あるサムハインの夜に
「 お前の魂をいただこう 」 とひとりの悪魔が近づいてきます。
あくどい詐欺師でもあったウィルは
「別にいいけど、この世の名残にぱーっと遊びたいから金をくれ。
そしたら10年後に俺の魂をやるよ」と悪魔と取引をして、
悪魔は使っても無くならないお金に変身しました。

そのお金で遊び倒して10年後、悪魔は金貨から元の姿に戻り、契約期間の終了を告げます。
するとウィルは 「 あれは10年前の夜だっただろう。今はまだ昼だ。
最後の昼飯にリンゴが食べたいからそこの木から取ってくれないか 」 と
悪魔にリンゴを取りに行かせます(悪魔さん優しい)。
そして 「 あ、それは小さいからダメ 」 、
「 それは虫食いがあるからイヤ 」 と次々にリンゴの実を取らせ、
その内に悪魔が手にしたひとつにはなんと十字架が刻まれていました。
十字架の力によって動けなくなった悪魔にウィルは
「 助けて欲しかったら『 ウィルの魂は絶対に地獄へ連れて行きません 』と誓約書を書け 」
と迫り(あくどい!)泣く泣く悪魔は誓約書を書いてウィルの魂を諦めます。


そして時が過ぎてウィルは天寿を全うした後、地獄の門番に誓約書を見せて地獄行きを免れます。
さてこれで天国行きだ、と意気揚々と天国の門に向かいますが、天使から
「 いやいや、普通にお前みたいな魂は天国には入れないから。帰れ 」 と追い返されます。
こうして天国にも地獄にも行き場の無くなったウィルの魂は現世に戻ることになり
その真っ暗な道行きに 「 真っ暗で怖いよー!寒いよー!せめて灯りくれよ! 」と
悪魔に泣き言を言います。
「 仕方ないなあ 」 と悪魔はカブをくり抜いて石炭を入れた灯りをくれました
(あれだけ騙されたのに優しい悪魔さん)
そのカブの灯りを手に現世に戻ったウィルは、
どこにも行く場所も無いままに永遠に世界を彷徨っているのです。


他にもウィルの伝承には様々なパターンがあるのですが、大筋はこんな感じです。
沼のほとりや墓地の近くに青白く浮かぶ丸い炎は、彷徨うウィルが持つカブの灯りだとされました。
「 はあ…なんでこんなことに…ていうか寂しい、寒い、マジつらい 」という
ウィルに逆恨みで悪さをされないように、サムハインの夜にはウィルの魂を慰めるため、
また自分たちの親族の魂がウィルのように迷わないようにとカブの灯りをともしました。
これが後にウィルよりも一般的な名前であるジャックに名前を変え、ジャック・オー・ランタンの元となります。

その後、アメリカではカブよりカボチャが一般的な作物であり、加工もしやすかったため、
いつしかハロウィンにはカボチャをくり抜いて灯りを作るようになりました。 
今ではカブをくり抜いていたケルトの風習が忘れ去られ、
オレンジ色のイメージも相まってカボチャの灯りしか見かけませんね。

日本でも馴染み深いアイルランド文化

このように、大部分を失い、いくつかはその形を変えても、古代ケルトの文化は私たちの身近にあったりします。
ケルトの神話や精霊を題材に使ったゲームや漫画も増えたので、ケルトのことは知らなくても
 icon-leaf 英雄クー・フーリン
 icon-leaf アーサー王と聖杯
 icon-leaf 妖精ケット・シー
 icon-leaf 妖精スプリガン
 icon-leaf 妖精レプラカーン
 icon-leaf 神剣カラドボルグ
 icon-leaf 神話物語マビノギオン
 icon-leaf 首なし騎士デュラハン
こうした名称を一度は目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
(特にFateがお好きな方にとってセイバーとランサーといえば!ですね)

また、神話以外にも
 icon-leaf あの怪奇小説の名作古典『ドラキュラ』を著したブラム・ストーカー
 icon-leaf 日本の文壇にも大きな影響を与えた詩人、オスカー・ワイルド
 icon-leaf アーティストのU2やエンヤ、人気グループ・One Directionのナイル・ホーラン
 icon-leaf 豪華客船タイタニックは北アイルランドにあったハーランド&ウルフ社の造船所で建造・進水された
 icon-leaf 木戸孝允(桂小五郎)らがギネス(アイルランドのビール)工場見学に行ってギネスを飲んだことがある
 icon-leaf 小泉八雲のペンネームで『怪談』を執筆したラフカディオ・ハーンもお父さんがアイルランド人
 icon-leaf 映画『処刑人』に出てくる兄弟はアイルランド系移民という設定
というように、日本でも有名な出来事があったり著名な方がいらっしゃったり。

ハロウィン以外にも最近ではアイルランド発祥である
聖パトリックの祝日のイベントが日本で行われることもあるので、
興味を持たれた方は是非、そうしたイベントやアイリッシュ音楽などに触れてみてくださいね。


毎年恒例・ハロウィンのGoogleホリデーロゴ

特別なイベントや偉人の生誕記念日などに、たった一日だけGoogleトップページに表示される
Googleトップページのホリデーロゴ(Doodle)
中でもハロウィンやクリスマスといった季節イベントでは必ずホリデーロゴが表示され、
動画やミニゲームになっていることも多いので私は楽しみにしています。

2017年のハロウィンロゴは、幽霊のJinxが楽しげな子供達の仲間に入るために
試行錯誤する動画を見ることができます。

Googleトップにアクセスして
 icon-play 再生ボタンをクリックでスタート。
2017ハロウィンのGoogleホリデーロゴ
2017ハロウィンのGoogleDoodle1
2017ハロウィンのGoogleDoodle2
2017ハロウィンのGoogleDoodle3

 icon-smile-o 去年のハロウィンDoodleなど、過去のDoodleはホリデーロゴ保管庫で見ることができます。

 良かったら押してみてください♥

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