海外の不審なサイトからのリンクを拒否する【Googleリンク否認ツール】

迷惑な不正リンク

新年なので、現在のサイトの状態を確認しておこうと、久しぶりにGoogle Search Console(サーチ コンソール=旧ウエブマスターツール)を見に行ったら、なんか変な海外サイトからめちゃくちゃいっぱいリンクを貼られていました。
海外の不正リンク
こうして何千と機械的なリンクを貼られてしまった場合、ほとんどが海外の偽ブランド品の販売サイトや、自動で記事や画像を集めてサイトを構成している詐欺サイトからのリンクです。まじ迷惑…!

不正リンクとは

興味があって貼るリンク、役立つ情報として紹介するリンク、お互い知り合いで相互に貼るリンク、そういった自然発生的なものが正規のリンクです。
不正リンクとは、その逆で、何らかの悪意があって機械的に大量のリンクを貼ることを指します。

Google Search Consoleにログインして、(未登録の方は新規登録してから)自サイトをクリック⇒【 検索トラフィック 】⇒【 サイトへのリンク 】から現在自分のサイトに対して貼られているリンクの元を確認することができます。
不正リンクの確認方法

不正リンクの目的

・『ん?こんないっぱいリンク貼られてる。なんだろうか』とリンクを辿る人が居ることでアクセス数を上げて、検索エンジンに対してで優良サイトであるとアピールをしている。
・『なんか良くわからないけど、リンク貼ってくれたんなら貼り返そうかな』と相互リンクをしてくれる人が居れば、それも検索エンジンに評価される対象になる。
・リンクを辿った相手にウイルスを感染させる罠を仕掛け、遠隔操作、ネットバンキングのパスワード盗難、個人情報の抜き取り等を行う。
・特定の企業からの依頼を受け、対象サイトの検索エンジンからの評価を下げるためにわざと不正なリンクを大量に貼る。
・偽ブランド品などの通販サイトが『こうしてリンク貼っとけば誰かがURL検索した時に表示されることも増えるし』と貼ったり、『こうしたちゃんとしたサイトに関係あるサイトなんで、違法サイトじゃないですよ』と検索エンジンを欺くためにリンクを貼る。

このような目的のため、主に中国のサイトが良くやる手法です。
相手の迷惑など知らん、自分に得があればそれで良い、という考え方ですね。

不正な被リンクを貼られるデメリット

貼る方はそりゃあ相応の目的があって貼っているのでしょうが、貼られた方は堪りません。
Google Search Consoleで正規リンクを確認しようとした時に邪魔になるので大変迷惑ですし、うっかりリンクを辿れば怪しいサイトに連れて行かれるという。
更にその不正リンクがGoogleさんなどの検索エンジン側にバレたら、それなりのペナルティをくらうはずなので、そんなところから大量にリンクされていては、つられてこちらが『不正リンクを貼らせた』という冤罪でサイトの評価が一気に下がる可能性もあります。

リンクを貼るアフィリエイトについて

『指定のサイトに自分のブログからリンクを貼るだけで●●円あげます』というようなアフィリエイト広告を、悪徳SEO対策業者が出していることがあります。

なぜこんなことを依頼しているかというと、
・リンクをいっぱい貼ってもらっているサイトは良いサイト、ということでGoogleさんなどの検索エンジンで上位表示されるように工作している
・質の低いリンク(不正リンク)をいっぱい貼って、そのサイトが検索エンジンからペナルティをくらって、検索順位を下げるために工作している

このどちらかです。

上位表示したい人の依頼でやっている場合、Googleさん達はこういった姑息な工作を許さないと公言しているので、バレたら逆に順位は下がります。
絶対大丈夫、と言ってくるSEO対策業者は詐欺業者なので、企業経営者さん達は気をつけましょう。
また、アフィリエイターの方々も、できれば詐欺には加担しないでいただけたら嬉しいです。

そしてもっとタチが悪いのが、競合他社を蹴落とすために不正リンクを大量に貼らせるという工作です。
その会社が知らない間に勝手にいっぱい不正リンクを貼られ、Googleさん達からペナルティを受けるように仕向け、検索結果にその会社が出てこないようにする、ということですね。
完全に営業妨害なので、発覚すれば、依頼した企業・依頼を受けたSEO会社・リンクを貼った人達が訴えられたり捕まったりします。
たった何円かのアフィリエイト収入のために犯罪者になるなんて割に合わないと思うので、アフィリエイターさんは気をつけてくださいね。

Googleさんのリンク否認ツール

一度貼られたリンクは相手が削除してくれない限り、完全に断ち切ることはできません。
そのため、困ったリンクを貼られてしまった時に使えるように、oogleさんはリンク否認ツールというものを用意してくれています。

リンク否認ツールとは『 このサイトからのリンクは良くないものなので私のサイトの評価に入れないで!リンク元としても無視して反映しないで!お願いだから! 』とGoogleさんにお願いをするツールです。
Googleさんの説明ページはこちら icon-arrow-circle-right リンクを否認する

使い方はそんなに難しくないのですが、これは貼られたリンクによって困っている人のための最終手段的なツールなので、よく検討してから使ってくださいね。

リンク否認ツールの使い方

大まかな流れとしては、リンク拒否したいURLやドメインをテキストファイル(メモ帳など)に記述し、リンク否認ツールに提出するだけです。

テキストファイルを作る

まずリンク否認ツールに提出するためのテキストファイルを作ります。
リンク否認ツールへ提出できる(アップロードできる)ファイルはテキストファイル(拡張子が『 .txt 』のファイル)のみです。
簡単にメモ帳で作ってもいいですし、他に普段お使いのテキストエディタがあればそちらで作っていただいても大丈夫です。

記述内容はとてもシンプル。
こんな感じで否認したいリンク元のドメイン、もしくはURLをずらりと記述していくのみです。
domain:○○○.com
domain:■■■.com
http://◇◇◇.com/blog/a.html
http://●●●.com/b.html


ドメインごと否認したい場合は『domain:』をつけて記述、URLを個別で否認したい場合にはそのままURLを記述します。
Googleさんは出来る限りドメインごと否認するように推奨していますし、できるだけ個別URLではなくドメインごとの否認をご検討ください。
そのほうが簡単なので時間の短縮にもなりますしね。

ちなみにドメインとは
www.○○○.com
○○○.com
○○○.Jp
といったように、Web上の住所の大元の部分です。
ドメインごとの否認をすると、そのドメイン以下のURLに貼られているリンクが全てまとめて否認されます。
本当にそれがリンク否認していいドメインかどうか、慎重に確認してから記述しましょう。

あと、記述内容の中に余計な文章や間違った記述を付け加えてしまうとツールが混乱してちゃんと受付してもらえないことがありますので、出来るだけコメントは挟まないように、そして複数のリンク元を否認する際は誤りが無いか最後に見返してチェックしてくださいね。
また、以前にもリンク否認ツールを使ったことがある場合は、前回の内容も合わせて記載しておきましょう。
ファイルは上書きになってしまうので、今回否認したいURLやドメインだけ記述したファイルをアップロードすると、以前のものは無効になってしまいます。

ドメインの冒頭にまとめて『domain:』を付ける

今回のように大量の不正リンクを否認したい場合、一つずつドメインをコピーするのも、いちいち全部にコピペで『 domain: 』 を付けるのも大変なので、まとめてダウンロード保存し、OfficeソフトのExcelを使ってまとめて『 domain: 』を付け足します

まずSearch Consoleで【 リンク数の最も多いリンク元 】の【 詳細 】を開きます。
リンク数の最も多いリンク元
【 このテーブルをダウンロード 】⇒【 CSV 】にチェックを入れて【 OK 】をクリック。
※Googleドキュメントを使い慣れている方はそちらでもOKです。
CSVファイルをダウンロード
そのままExcelでファイルを開くか、一旦自分のPCに保存してから開くか、任意で選択してください。
Excelでダウンロードファイルを開く
日本語部分が文字化けしていることがありますが、特に関係ないので行ごと削除して構いません。
Excel文字化け

ここまで操作したら、各ドメインを確認して不正リンクかどうかを確認してください。
私は今回、異常にリンク件数が多いものや、あからさまにドメイン末尾が日本以外(.fr、.ua、.ar、.in、.brなど)で怪しいものは問答無用で追加し、それ以外のものは不正リンクかどうか一個ずつ見ていったので凄く疲れました…。

通常のリンク(不正リンクでないドメイン)はこの表から削除して、間違って否認しないようにご注意くださいね。
確認が済んだら、リンク数が記載されているB列とC列も削除してください。

次にいよいよ 『 domain: 』 を一気に付け足します。

A列を右クリックして【 セルの書式設定 】をクリック。
セルの書式設定
表示形式【 ユーザー定義 】⇒【 @ 】を選択し、入力欄に『“domain:”@』 と入力してOKをクリック。
※『”domain:”@』これをコピペして駄目な場合は、すべて半角英数字・半角記号で手動で入力してください。
ユーザー定義@で単語を付加
自動で全てのセルの冒頭に 『domain:』 が付加されます。
『 domain: 』を付加
あとはセルをまるごとコピーして、メモ帳などのテキストファイルに貼り付ければOK。
メモ帳に貼り付け
今までにもリンク否認ツールを使ったことがある場合は、その内容を今回作成したリストに追記します。
余分なコメントや改行は挟まないようにしましょう。
リンク否認のリスト・追記

これでテキストファイルは完成です。

ドメインと国名について

.net、.comは世界共通のドメインです。
逆に、日本なら.jp、アメリカなら.us、中国なら.cnというようにドメインの末尾がそのドメインの存在する国を表している場合があります。
国の英名の頭文字を取っているんですね。
このことから、今回のように迷惑リンクのURLや迷惑メールのアドレスを確認する際に「 あからさまに日本じゃない国からリンク貼られてるから怪しい 」 という目安にすることができます。

リンク否認ファイルを提出する

テキストファイルが出来上がったら、いざGoogleさんの否認ツールに提出しに行きましょう。
Google Search Console内のリンクの否認ページに行くと、以下のような画面が出てきます。

リンクの否認ツール・トップ
ちゃんと相手側に削除要望を出したり問合せたりした結果、リンク状況が改善されなかったので最終手段としてこのツールを使うことにしたと自信を持って言えるぜ!という場合は、ご自分のサイトを選択して【リンクの否認】をクリックしましょう。

【リンクの否認】から進むと、ファイルをアップロードできる画面になります。
リンク否認リストをアップロード
①【ファイルを選択】をクリックして、先ほど作成した否認したいリンクのリストを選びます
②【送信】を押してファイルをアップロード
③問題なく送信できたようであれば【完了】をクリック

以上の手順で否認ツールの使用は完了です。
完了後に再度リンクの否認ツールページにアクセスすると、
・アップロードしたファイル
・[送信した日時]+送信の結果
・ファイルの内容
が表示されるようになります。
アップロードした後で内容の間違いに気づいた場合も、ここからファイルの削除を行ってもう一度送信し直すことができます。

Googleさんから更新のお知らせが来る

無事にファイルがアップロードされ、リンクの否認ツールがちゃんとファイルを受付してくれると、多少時間差はありますが、Search Consoleのトップページに『http://●●●.com/ のリンクの否認ファイルを更新しました』という件名でGoogleさんから『リンク否認ツールがちゃんと更新されたよー』とメッセージが届きます。

http://pc-pier.com/ のウェブマスター様
http://pc-pier.com/ のリンクの否認ファイルへの更新を登録しました。新しいリンクの否認ファイルには ○○ 件の URL と ○○ 件のドメインが含まれます。
リンクの否認ファイルでは、掲載順位の操作を目的に貴サイトにアクセスしている貴サイトへの特定のリンクを考慮に入れないよう Google に依頼できます。ご自身のサイトについてリンクの否認ファイルを更新した覚えがない場合は、他のサイト所有者が更新していないかどうかご確認ください。

更に時間差でSearch Consoleに届いたメッセージと全く同じ文面のメッセージがメールでも送られてきます。
ツールを使用した後、リンク否認が反映されるまでの期間はまちまちで決まっていないようで、短ければ2、3日だったり、長ければ数週間だったりなので気長に待ってみましょう。

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