パンダコパンダってご存知ですか?

タイトルからいきなり問いかけて申し訳ないのですが、今回は『 パンダコパンダ 』 というアニメのお話を。

『 パンダコパンダ 』とは、1972年に公開された劇場用 中編アニメーション作品です。
当時パンダブームを巻き起こしたカンカンとランランが上野に来たことを記念して製作されました。
翌年の1973年には 『 パンダコパンダ 雨ふりサーカスの巻 』という続編も製作・公開されました。

 icon-renren パンダコパンダ 公式サイト  icon-renren 
 icon-renren スタジオジブリ パンダコパンダのキャラクター紹介  icon-renren 

それがこの度、赤ちゃんパンダ・シャンシャンの誕生ブームに再度乗っかり、公開から45周年の記念も兼ねてデジタル・リマスタリングされ、全国のイオンシネマで再上映されています。
入場料金は一般・高校生以上 1,100円、中学生以下は800円。

『 パンダコパンダ 』が34分、『 パンダコパンダ 雨ふりサーカスの巻 』が38分。予告編とかのCM時間を合わせても90分程度。
お子さんを連れてイオンで買い物がてら観るにも丁度よい長さではないでしょうか。

このアニメはなんといってもスタッフが超豪華。
原画・原案・脚本・画面設定は皆さんご存知スタジオジブリの宮﨑駿
このパンダコパンダはスタジオジブリが設立される10年ほど前の作品で、後の 『 となりのトトロ 』 の原型とも評されています。
確かにパパンダの顔がトトロの顔にちょっと似てる。

演出は『火垂るの墓』や『おもひでぽろぽろ』で知られる高畑勲
作画監督は大塚康生(『ルパン三世』の原画・作画監督など)と小田部羊一(『アルプスの少女ハイジ』キャラデザ・作画監督、『ポケモン』シリーズのアニメーション監修など)。
主題歌および挿入歌を歌っているのは水森亜土さん。

また、お巡りさん役とサーカス団員役の二役で出演しているのが山田康雄さん。
アニメ 『 ルパン三世 』 のルパンを演じた初代声優さんです。
私ルパン大好きなので、45年前の山田さんの生き生きとした軽妙な声を聞いただけでちょっと泣きそうになります。

このパンダコパンダ、30代の私がまだ小学校低学年だった頃に、親がレンタルビデオ店で借りてきて見せてくれて以来、当時の私の一番好きなアニメになり、その愛着から今でもたまに主題歌を口ずさむくらいずっと好きだったので、今回デジタル・リマスタリングされた上に映画館の大きなスクリーンで見られるなんて!と先週ウキウキしながら観に行って来たのですが、すっごい観客が少なくて(たぶん10人ちょいだった)愕然としたので、勝手にダイレクトマーケティングしようと思ってこんな記事を書いています。

あの宮﨑駿監督の初期作品!となりのトトロの原型がここに!
とかそんな感じで、もっと宣伝ちゃんとしてれば動員増えると思うのですが、なんで宣伝しない。
予算の都合なのか、ジブリさんとの権利の兼ね合いがあるのか。

そしてなぜグッズを映画館で売らないのか。
通販サイトで少しだけグッズが売られているのは知っていますが、4万円以上する受注生産ぬいぐるみは流石に買えないので、お手頃なグッズがこの機会に発売されるだろうと買う気満々でグッズコーナーに行った私の期待を返して。
ミミちゃんの焼いたトラちゃんクッキー型のメモ帳とか、コパンダとトラちゃんのぬいぐるみとか、パパンダのミニクッションとか売れ線が色々あるでしょう。
このシャンシャンブームに乗っかるなら今でしょ!(古い)と広報と制作の方々の肩を掴んで揺らしたい。
そんなやるせない気持ちを込めて、私のパンダコパンダに対する熱い思いをここにしたためています。

公開期間が短く、3月の9日頃には上映が終了してしまうので、興味を持って頂けた方は是非お早めに!今週末にでも!
今なら入場特典でミミちゃんやパパンダ達が描かれた特製コースターがもらえます!
家族連れじゃなくてもお一人様でも大丈夫!私のように懐かしさに駆られて見に来たと思しき、大きなお友達が大半でしたから!
(お子さん連れが一組しか居なくて逆にびっくりしました)
初見の方も一回見ればすぐにあの主題歌に洗脳されると思うので是非!

ストーリーと見どころ

パンダコパンダ

小学生のミミ子はおばあちゃんと二人暮らし。
おばあちゃんが法事で県外に出掛け、その間は一人暮らしをすることになったミミちゃん。
しかし一人暮らしの初日、お家の周りにある立派な竹林に誘われてパパンダ(父バンダ)と子パンダのパンちゃんが訪れます。
お父さんが欲しかったミミちゃんはパパンダにお父さんになってもらい、お母さんが欲しかったパンちゃんはミミちゃんにお母さんになってもらって三人で暮らすことにしました。
しかし実はパパンダとパンちゃんは動物園を脱走してきており、動物園の園長さん達が戻ってきてほしいとお願いにやって来るのですが…。

パンダコパンダ 雨ふりサーカスの巻

ある時、ミミちゃんの家に子トラのトラちゃんが迷い込んできました。
トラちゃんは街にやって来たサーカスの子でした。
皆が翌日のサーカスの開幕を楽しみにしていた中、一晩中降り続いた大雨で丘の上にある中心街を除いて辺りは水没。
トラちゃんからの「助けて!」というボトルメッセージを受け取ったミミちゃん達はベッドをいかだ代わりに漕いでサーカスの動物達を救出に向かいます。

   
お子さん方には純粋にパンちゃん、トラちゃんの可愛さや、パンダやトラが喋るファンタジーな明るいストーリーを楽しんで頂くとして、以下では大きなお友達の皆さんに鑑賞時に是非注目していただきたいポイントをご紹介。

小学生の一人暮らしとは

幼少期の私は全く気にしていませんでしたが、今思ったら郊外の一軒家で小学生が一人で暮らすってやばくない?
町の人々もなぜそれを普通に受け入れているのか。

ミミちゃんのご両親は

作中で登場せず語られることもないミミちゃんの両親の存在。
それはやっぱりそういうことなのかいミミちゃん。悲しい。

そしてパパンダに「お父さんとはこういうもの」と、帽子をかぶらせパイプをくわえさせ、カバンを持たせて仕事に送り出そうとするミミちゃん。困惑するパパンダ。
それらのお父さんグッズは、ずっと家のどこかに置いてあったんだね…と大人になった今、その意味に気づいた私は泣きそうになりました。

ミミちゃんのスカートどうなってんの

ワカメちゃんと良い勝負なくらいパンツ見えてるぞ。
丈はそれで良いのか。

登場人物のテンションが好き

川に流されピンチになったパンちゃんのシーン。
ミミちゃんを気にかけてくれているお巡りさん、動物園の園長さんや飼育員さんなど、皆が最終的にひゃっほーと川に飛び込むその大らかさというか明るさ。最近のアニメでは中々見ない。人間これくらい単純に勢い任せに生きてもいいのかもしれないと思わされて、明るい気持ちになります。

おばあちゃん、法事で親戚宅に行ったっていうけど、一向に帰ってこなくない?

ミミちゃんがパパンダ達と暮らし始めて結構経っても帰ってこないおばあちゃん。
ミミちゃんからのお手紙を読んでいるおばあちゃんの様子が一瞬だけ出るのですが、そこは親戚の家というよりは老人ホームめいている。
「 おばあちゃんが法事に行ったというのはあなたの想像に過ぎないのではないでしょうか…おばあちゃんはもう帰ってこないのでは… 」 という不穏な想像をしてしまってちょっと怖い。

動物園の観客にご注目

ミミちゃんのお家から動物園に電車通勤することになったパパンダ。
そんなパパンダが出勤している動物園のシーンでは、観客の中に
・『ど根性ガエル』のひろしと京子
・変装したルパン三世と次元大介
・オバQ
が紛れています。

これはパンダコパンダを制作した東京ムービーおよびAプロダクションがそれぞれのアニメの制作をしていたことからお遊び要素として入れたとのこと。

その洪水は大災害レベル

『 雨ふりサーカス 』でトラちゃん達を救出しに向かうミミちゃん達ですが、郊外にあるミミちゃんちは1階が全部水没してるという大変な状況なのに意外と余裕がある。
子供向けアニメ特有の大らかなファンタジー感が感じられます。
作画とストーリーがのほほんとしているために、特に悲壮感も無く楽しげに見えるところがすごい。

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