避難時の非常用持ち出し袋の中身【2018年版】

以前にも非常用持ち出し袋についての記事を掲載しましたが、
それから3年ほど経ったので、改めて何を入れておくべきか一般的な内容物をご紹介します。

台風などの停電時にどう過ごすか、停電時でもPCを稼動させる機器等の
停電に備えるために(PCの準備含む)の記事も合わせてご覧ください。

非常用持ち出し袋も使う機会が来ないのが一番なのですが、
つい先日も大きめの地震が中国地方や北海道で発生しましたし、
備えあれば憂いなし、ということで。
連休中は特に予定もないし暇だなー、という方は、お散歩がてら近所の避難場所を確認したり、
お家の片付けがてら使えそうなものを発掘して非常用持ち出し袋の準備をしてみてくださいね。


まずは避難場所の確認

いざという時に慌てなくて済むように、自宅、あるいは職場の
最寄の避難場所はどこかを普段から確認しておきましょう。
お近くの学校、役所、自治会館などが避難場所になっていることが多いと思います。
緊急避難場所
また、避難の際には履きやすく動きやすい靴が大事です。
窓ガラスが割れている場所で足元を怪我したりしないよう、
出来るだけ底は厚めの、滑り止めがついたスニーカーなどがおすすめです。
現場仕事の方がよく履いている安全靴(つま先や甲部分に補強あり)も良いですね。


避難指示の発令

災害発生時に出される警報の中で、気象庁から危険レベルに応じて
発令される『 注意報 警報 特別警報 』 は皆さんご存知かと思います。

その他に、避難に関して自治体から発令されるものとして
『 避難準備・高齢者等避難開始(旧呼称:避難準備情報) 』
『 避難勧告 』
『 避難指示(緊急) 』 があります。
避難指示レベル


非常用持ち出し袋の準備

いざという時にはすぐに避難できるように非常用持ち出し袋を用意して
玄関や裏口など、出入り口の近くに置いておきましょう。
また、避難中に怪我をして意識不明になった場合などにも救助者に身元が分かりやすいように
袋に名前や住所を記入するか、ネームタグを付けるかしておきましょう。

基本的な非常用持ち出し袋の内容

出来るだけ入れておきたい物品をリストにしてみました。
A4サイズで印刷してチェックしてみてください。
非常用持ち出し袋の内容リスト

以下で更に細かい内容などをご紹介します。
リュックの容量的にも全部を入れるのが難しいこともあるので
要・不要を検討してみてくださいね。

リュックサック

両手が使える状態になるよう、非常時用品は必ず背負えるタイプの袋に入れてご用意ください。
できるだけ軽く丈夫な袋であれば何でも良いので、学生さんの学校指定バッグ(リュック型)とかも
お古で持っている方は有効活用してみてはいかがでしょうか。

また、必ずしもお家の中にいる時に災害に遭うとは限りません。
普段お使いの鞄の中にも、出来るだけ厳選した非常用品を入れておきましょう。

非常用持ち出し袋は真っ暗闇でも見つけやすいよう、また、遭難時には救助してもらいやすいよう
明るい色や目立つ色を選ぶか、蛍光のシールやゴムバンドを付けておくことをおすすめします。

懐中電灯

夜間に停電した中で灯りもなく避難することになれば大変危険です。
万が一に車や家に閉じ込められてしまった場合にも
懐中電灯があれば救助者に合図を送ることができます。
液漏れや放電を防ぐために懐中電灯やラジオには電池を入れっぱなしにしないようご注意ください。

コンセントに差しておくと普段は消灯していて停電すると自動点灯する保安灯なども便利です。
保安灯の中にはいざという時は取り外して懐中電灯のように使えるものもあります。

予備の乾電池

懐中電灯やラジオを準備していても、
電池が入れっぱなしで放電して切れていたり、
消耗して切れてしまったら意味がありません。
いくつか予備の乾電池を用意しておきましょう。

また、最近は電池式のスマホ充電器なども販売されています。
こういった充電器を準備している方は予備電池も多めに準備しておきましょう。

ラジオ

停電していても避難情報や避難場所についての情報を知るために電池式ラジオがあると安心です。
普段からご自分のお住まいの地域の周波数に合わせておきましょう。

最近は機能が一つになった懐中電灯&ラジオ&携帯充電器や、
手回し充電タイプのものも販売されています。

家族や親戚の連絡先

スマホや携帯は水没・破損・充電切れしたら電話番号を見ることもできなくなります。
いざという時もお互い連絡が取れるよう、電話番号は紙に書き出してから
ラミネートシートで防水加工するか、ジップロックなどに入れて防水しておきましょう。

ホイッスル(呼子笛)

救助者に合図を送る際に役立ちます。
お子さんにも避難前に 「 はぐれたら吹くように 」、
「 一度だけだと聴こえないかもしれないから繰り返し吹くように 」 と伝えて笛を渡しておきましょう。
首に紐でかけてあげても良いかと思うのですが、避難中にどこかに引っかかったら危険ですし
すぐに吹けるよう手首にゴム紐で付けてあげるのが一番かと思います。

救急セット

絆創膏、包帯、消毒薬は最低でも入れておきましょう。
痛み止めや風邪薬なども入れておくと安心です。
髪が長い方はヘアピンやヘアゴムも一緒に入れておきましょう。
ピンやゴムは袋の口を止めたりするのにも役立ちます。
持病がおありの方は、予めお医者さんに非常時にはどうすれば良いかご相談ください。

飲料水と給水袋

1人につき1日で最低 1リットルの水が必要と言われていますが、
例えば5人家族で5リットル抱えて逃げる、なんてあまり現実的ではありませんよね。

私は500mlのペットボトルで2本入れています。
それ以上だと他の荷物の重量もあるし、かさばり過ぎるかなと思いました。
ペットボトルはそのまま使いまわせるので、避難所でのコップ代わりにもなります。

また、折りたためる給水袋(給水パック)も持っていれば
給水場所や給水車から水を汲んで使うことができます。

非常食

怪我をして避難所まで行けず、手元に食料も無い、なんてことにならないように
救助が来るまで(最長で3日程度)持ちこたえられるくらいの非常食は入れておきましょう。

 icon-cutlery おすすめの非常食 icon-cutlery 
  缶詰
  肉、魚、果物、野菜、なんでも今は缶詰がありますね。
  缶切りが無くても開封できるようにプルトップ式の缶を選びましょう。
  持ち運びするにも軽く、すぐに食べれて美味しい缶パンもおすすめですが、
  缶パンは大きさ的にかさばるのが難点でしょうか。

  レトルト食品
  特にお粥のパックはそのまま流し込んで食べれますし、お年寄りや病人でも食べやすいです。
  先日食べてみたラーメンのレトルトパックも意外と美味しかったです。

  飴など菓子類
  飴系統の中でもシンプルな氷砂糖は夏場でも溶けにくく日持ちします。
  ビスケットなどの乾物、チョコレートも長く持ちますね。
  避難で疲れている時に甘いものを食べるとほっとしますし、周りの人にも分けてあげやすいので
  甘味を1つ2つは入れておきましょう。

  塩と砂糖
  ジップロックなどを2重にして防水して入れておきましょう。
  水と塩と砂糖があれば、効率的に水分補給できる経口補水液(簡易スポーツドリンク)も作れます。

万能ナイフ

食品の開封やロープの切断など、包丁やハサミの代わりになる折りたたみのナイフがあると便利です。

お箸、スプーン

意外と公民館などの避難場所に備蓄されていないのがお箸やスプーンといった食器類です。
用意されていたとしても数が限られているかもしれませんので、出来るだけ自分で用意しておきましょう。
特にお子さんやお年寄りがご家族にいる場合はスプーンを用意しておけば
温かい汁物や消化の良いお粥なども食べてもらいやすくなります。
容量に余裕があれば保温マグカップや使い捨てのお皿もあれば便利ですね。

ジップロック系の密封できる袋

スマホやラジオを入れて防水したり、下着やタオルを入れて圧縮したり、
食べかけの食料を入れて翌日まで持たせたりと使い道が多いので、複数準備しておきましょう。

サランラップ、ゴミ袋などのビニール袋

ラップがあれば何かの箱や板に巻いて食器代わりにもできますし、洗い物が出ることもありません。
また、大き目のゴミ袋があれば一時的な雨具や床に敷くシート代わりになります。
食料や衣料の救援があった際に家族ぶんをまとめて入れてもらうのにも役立ちます。

大き目のハンカチやタオル

大き目のバスタオルならちょっとした防寒具にもなりますし、
フェイスタオルやハンカチは包帯、マスクの代わりにもなります。

マスク

煙や粉塵の中を避難する際には必須ですし、避難所でも風邪をうつしたりうつされたりしないように
マスクをつけておくのは大切です。

軍手

避難中に手を怪我から守るため、避難所で作業を行うためにも
軍手があると安心ですし、マスクと軍手は防寒具にもなります。

季節ごとの洋服、下着、かっぱ等の雨具や防寒具

  洋服、下着
  最低でも1着は上下の服と、替えの下着、靴下を入れておきましょう。
  また、季節に合わせて洋服は入れ替えてください。
  そろそろ秋なので今週末に私も厚手の洋服に入れ替える予定です。
  洋服の入れ替え時に飲料水や食料の賞味期限や
  懐中電灯やラジオの動作が正常かをチェックするようにしてください。

  雨具
  いざ避難が必要なほどの風雨に見舞われた時に傘は役に立たないし骨が折れると危ないので、
  できればカッパを入れておきましょう。

  防寒服(遮熱服)
  非常用やキャンプ用として販売されている銀色のシャカシャカしたアルミブランケットが有名ですね。
  アルミブランケットはエマージェンシーブランケットやサバイバルシートとも呼ばれます。
  ちなみに防寒と耐久性を重視するならスポーツマンブランケットもおすすめです。

ガムテープ

一時的な怪我の止血、破れた衣類やリュックの補強、ダンボールを貼り合せて避難所の衝立に、などなど
色々と使えて重宝しそうなので、できれば1巻きは用意しておいてください。

マジックなどの筆記用具

持ち物に名前を書いたり、壁に家族への伝言を書き込んだりするために油性のマジックがあると便利です。
避難所では似たような防災用品を持っている方も多いために
うっかり間違えて誰かのを拝借してしまってトラブルにならないよう
自分の防災用品やジップロックには片っ端から名前を書いておきましょう。

保険証や身分証明書、通帳と印鑑

災害時には各種証明書の再発行手続きなども市区町村から優先的に対応してくれる案内があると思いますので
避難するまで少し猶予がある場合に、もしも可能なら持っていく、くらいで良いと思います。

それか各種証明書のコピーをとって、あらかじめ持ち出し袋に入れておくのも良いでしょう。
濡れてしまうことも考えられるので、折りたたんでジップロックなどの密封ビニールに入れておきましょう。
通帳のコピーがあれば口座番号の確認が簡単ですし、
保険証のコピーとある程度の現金があれば再発行までの間に病院にかかることになっても安心です。

現金

店舗が開いていなくても自動販売機は稼動していることがあります。
皆が同じ自動販売機から購入すると釣り銭切れになる可能性がありますので、
お札以外にもできるだけ硬貨を多めに準備しておきましょう。

簡易トイレとトイレットペーパー

避難所まで行ければとりあえずトイレやトイレットペーパーも用意されているはずなのですが、
地震や水害で使用不可能になっている場合もあります。

折りたたみ可能な簡易トイレとトイレットペーパーもあれば便利です。
また、新しいタイプの簡易トイレは給水物質を使って匂いなども出にくく
処理が簡単なタイプもありますので、介護が必要なご家族が居る場合には
そういった簡易トイレを多めに用意しておくと安心です。

トイレットペーパーはできるだけかさばらないように芯を抜いて潰し
ジップロックなどの防水できる袋に入れておきましょう。

除菌ウェットティッシュ

災害の規模によってはしばらくは水道が復旧しないこともあります。
ウェットティッシュがあれば手足を拭いたり、汚れた食器を拭いたりすることができます。
また、歯ブラシや石鹸も持ち出し袋に余裕があるなら入れておくと衛生面で安心です。

眼鏡やコンタクトの予備

私は裸眼視力が0.1以下でコンタクトがなければ生活できないので
持ち出し袋にケア用品の必要ない使い捨てタイプの予備をいくつか入れています。
目が悪い方は予備の眼鏡やコンタクトの替えを忘れないようにご注意ください。

おむつや離乳食などベビー用品

おむつや離乳食は優先的に必要物資として支給されますが、
もしも運搬のための道路が寸断されている場合や、ヘリコプターが飛べないような天候の場合等は
救援物資の到着まで時間がかかることもあります。
赤ちゃんがいる方は忘れないように準備してください。

生理用品

避難場所に備蓄があるどうかも分かりませんし、自分で準備しておいた方が良いと思います。
パンティライナーも一緒に用意しておくと、下着を数日洗濯できない時も清潔に使えて安心。
ナプキンは怪我をしてしまった場合の止血帯にもなります。

ペットの餌とリード

ペットも連れて避難する場合には必ず必要になってきます。
特にリードは忘れないように持ち出し袋に予備を入れておきましょう。

ちなみに猫を飼っている方は、避難時には洗濯用ネットに猫を入れて抱えるか
呼吸できるよう注意してリュックに入れて運びましょう。
洗濯用ネットであれば猫が暴れることが少なく(狭いとこが落ち着く習性のせい?)、
もし暴れたとしても怪我をしにくい&取り押さえやすい上に
ペット用ケージよりもかさばらないので運ぶのが簡単です。

PCのバックアップデータ

いざという時にパソコンを持って逃げるのはほぼ不可能です。
持ち運びできるようにディスク1枚やHDD1個にまとめておきましょう。

家族の写真

災害時に学校やお仕事で別の場所に居てバラバラに避難することになった際に
人に尋ねて家族を探すために写真があると便利です。

嗜好品

無いなら無いで我慢できるはずなんだけど、多分すごくイライラしてしまう…
ということで私は煙草を数箱と携帯灰皿とライターを入れています。


賞味期限切れに注意

半年に一度は飲料水・レトルト食品・缶詰などの賞味期限をチェックしましょう。
賞味期限が近くなったものは普通に食べて、また新しい物を補充します。

経口補水液で効率的な水分補給

塩分とブドウ糖を適度に配合した水分補給用の飲料水が経口補水液と呼ばれています。
軽い熱中症(脱水症状)、下痢、発熱など、体から水分が失われている状態の時には
経口補水液を摂取することで素早く効率よく体に水分を補給できます。
適切な配合の経口補水液がドラッグストアなどで売られているので、
非常用持ち出し袋にペットボトルタイプのものや、
水に溶かすだけのパウダータイプの物を入れておくと安心です。

また、日常生活で
「 暑い中で作業して汗かきすぎてしんどいかも 」
「 熱のせいか喉が乾いてつらい 」
という時には、自分で経口補水液を作って水分補給しても良いかと思います。
※塩分と糖分を多く含むため、脱水症状が出ている時以外は
逆に健康を害することもあるので、むやみに飲まないようにご注意ください。

かんたん経口補水液の作り方

500ml(500cc、ペットボトル小1本分)を作る場合は、
水500mlに対して塩1.5gと砂糖20gを完全に溶けるまで良く混ぜます。
1リットルのペットボトルに対してだと塩3g(小さじ1/2)、砂糖40g(大さじ4と小さじ1/2)ですね。
正確に計らなくても 『 ひとつまみの塩と一握りの砂糖 』 程度で大丈夫です。
塩と砂糖を入れすぎて飲みにくくならないよう、味見しながら加えていっても良いかと思います。


その他の重いものや食料はまとめて箱に

非常用持ち出し袋に入らなかった物や重い物は
頑丈なコンテナや木箱にまとめて玄関や裏口、物置のあたりに置いておきましょう。
避難時に持ち出せなくても、後でお家に戻れたときに役立ちます。

・水で戻せるアルファ米などの食料
・2リットルペットボトルの飲料水
・寝袋や毛布
・ペンチやバールなどの工具
・カセットコンロとガスボンベ
・予備の服、下着、靴下 など



ということで、ここまで非常時に備えて用意しておきたい物をご紹介しましたが、
何をおいても一番大切なのは皆さんの命です。

一刻も早く避難が必要、という時には
「 あと少しで家だから一度戻って持ち出し袋を 」
「 車の中に財布が入ったカバンが 」
というような一瞬の行動の迷いが生死を分けるかもしれません。

命さえあれば後は皆で助け合ってなんとかなります。
状況を見て、少しでも無理そうなら荷物なんて放り投げて逃げてくださいね。

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