パソコン購入のポイント【4】その他の部品や性能

前回記事
パソコン購入のポイント 【1】事前の準備
パソコン購入のポイント 【2】そのPCで何をする?
パソコン購入のポイント 【3】CPUの性能を選択に続き
シリーズ最後の今回はHDD/SSDやグラフィックボードについてご説明します。

 目次 

HDDやSSDの容量について
  ∟HDDとSSDの違い
  ∟容量の単位
  ∟基本的なファイルの使用容量

グラフィックボード
  ∟スペックの例

HDDやSSDの容量について

HDD、SSDはパソコンのデータを保存している部品で
記憶装置やストレージデバイスとも呼ばれるものです。
容量が大きいものであればあるほど沢山のデータが保存できます。

HDDとSSDの違い

HDDは低価格・大容量です。
一方、SSDは頑丈・高速ですがHDDに比べて高価という特色があります。

まずHDDは軸を中心に円盤が高速回転している駆動方式上
振動や衝撃に対してSSDよりも弱く、起動中にうっかり落としたりすると
物理的にもデータ的にも壊れてしまうことがあります。
その代わり容量の大きなものでも割と安価なので、現在流通しているパソコンに
最初から入っている記憶装置はHDDであることが多いです。

一方、最近搭載機種も増えてきたSSDは、HDDとは駆動方式が異なるので
振動や衝撃に強く、またデータ読込・書込の速度が速いので
HDDと比べると起動時間が半分ほどになります。
その代わりにHDDよりも価格が高く、容量の大きなSSDを選ぶとそのぶんお値段も跳ね上がります。

あんまり移動や持ち運びをしないパソコンであればHDDのほうがおすすめですし、
逆に出張などで持ち運びの多い方や、起動時間を短縮したい方にはSSDがおすすめです。

ちなみにHDD搭載のパソコンを後からSSDに換えることもできます。
(その機種がSSDに適合していればですが)
動作も遅いし、なんか調子悪いし、でも買い換えるほどでも無いような・・・と
迷っているときは、HDDを新しいものに換えるか、SSDに変更するという方法もあります。
 ⇒ 交換料金などは 弊社HDD/SSD修理ページ をご参考ください。

容量の単位

バイト、キロバイト、メガバイト、ギガバイト、テラバイト、というように単位が上がっていきます。
現在流通しているHDDやSSDはギガバイトやテラバイトの容量がほとんどです。

1000B=1KB
1000KB=1MB
1000MB=1GB
1000GB=1TB

こうして見ていただくと、HDDの1TBがかなり大きな容量であることがお分かりいただけると思います。
それでもたくさんの長時間動画を保存するとあっという間に足りなくなってしまうこともあるので、
使い方によって必要な容量も様々です。

蛇足ですが、こうして見るとキロバイトがメインだった
PC-9801とか3.5インチフロッピーの時代なんてもう遥か彼方ですね・・・(´-ω-`) 遠い目
今でも業務用で98シリーズを使っていらっしゃるお客様から修理でお預かりすることがあるのですが
その度に懐かしくてテンションが上がります。

基本的なファイルの使用容量

書類、写真、動画、プログラムソフトなどにはそれぞれのファイルの大きさがあり、
HDD(もしくはSSD)の容量によって保存できる量も変わってきます。

ファイルの大きさ
Excelで作った書類一枚なら50KBくらい。
デジカメで撮影した写真なら350~800KBくらい。
フルHDの動画なら1分間で100MBくらい。

HDDの中には
・WindowsなどのOSデータ
・その他、最初から搭載されているソフトのデータ
・リカバリー用のデータ
・自分でインストールしたソフトのデータ
・画像や書類などのファイルデータ
などが保存されますが、容量がいっぱいいっぱいになって空きが少なくなると
プログラムの動作が遅くなったり、最悪の場合は固まって動かなくなります。
これは足の踏み場もないほど散らかったお部屋では走れないのと同じで、
できるだけ不要なデータは削除してお部屋を広くしておくと動きがスムーズになります。

音楽や動画をたくさん保存するのであれば、最初から容量の大きいHDD搭載のパソコンを選ぶか、
パソコンと合わせて外付けHDD(USBポートにケーブルで繋いで使う記憶装置)の購入を検討しましょう。

グラフィックボード

絵や文字を液晶画面に表示するための処理を行う部品です。
ビデオボード、ビデオカード、VGAなど様々な呼び方があります。
また、グラフィックボードの中心部品がグラフィックチップと呼ばれます。

現在流通している通常のノートパソコンならインターネットやテレビを見る分には全く問題ないと思います。
よくテレビや動画を視聴するという方はCPUやグラフィックボードを
ちょっとだけ良いものにしていただくと、より快適に使用できます。

しかし最新の3Dゲームを遊ぶとなると、下手なパソコンを選んでしまうと
能力不足で動作が遅くなったり、画面が固まってしまうこともあります。
オンラインゲーム、特に3Dで動きの細かなゲームを遊ぶ場合は
グラフィックボードの性能が高いデスクトップPCをお選びください。
ノートパソコンでも性能が良いものも多くあるのですが、
デスクトップに比べてどうしても部品の隙間が少なく廃熱効率が悪いために
夏場に長時間ゲームを遊ぶと熱で部品が焼損する可能性が高くなります。

また、グラフィックボードだけ飛びぬけて性能が良くても意味がないので、
良いグラフィックボードを選んだら、その機能を活かせるように他の部品も選ばないといけません。
CPU、メインメモリ(RAM)、液晶、グラフィック用のデータを保持するメモリ=ビデオメモリ( VRAM )など。
薄々お気づきかと思いますがゲーム特化仕様のパソコンはお金が掛かるんですよね・・・(。・ × ・)
それこそ上を見ればキリが無いので、まずは遊びたいゲームの推奨環境をご確認いただいて、
更にゲーミングモデルと銘打たれたオンラインゲームに特化したモデルをご参考いただくと
最低限どの程度のスペックが必要かの参考になるかと思います。

スペックの例

たとえば現在2015年3月時点で流通している最新かつ高性能なゲーミングモデルだとこんな感じです。
■OS : Windows 8.1 Update 64ビット
■CPU : インテル Core i7-4790K プロセッサー
(4コア/4.00GHz/TB時最大4.40GHz/8MB スマートキャッシュ/HT対応)
■グラフィックス : NVIDIA GeForce GTX980(4GB)
■メモリ : 16GB (8GB×2/デュアルチャネル)
■ハードディスク : 2TB SerialATAIII 7200rpm
■チップセット : インテル Z97 Express
■光学ドライブ : DVDスーパーマルチドライブ

Windows8 は慣れるまで使いにくい気がしますが、今年(2015年)中にはWindows10 が出て
7、8 からであれば無料アップデート可能らしいので8でもまあ良いかなと思います。

CPUは2014年6月に発売開始されたCore i7-4790K。
高性能なCore iシリーズの中でも更に上位性能だと言われているCPUです。
4つの命令を同時処理することが可能、4ギガヘルツの高速処理速度、
4コアで最新の処理情報を共有できるスマートキャッシュ、
余力があれば4コアで8つの命令を処理できるハイパースレッディング対応。
詳しくは前回記事 パソコン購入のポイント 【3】CPUの性能を選択 をご覧ください。

グラフィックは有名なGeForce。
現在流通しているグラフィックチップの中でも最も数が多く普及しているシリーズですね。
その中でも新しいGTXシリーズですから、描画速度が求められ、
処理が大きくなるFPSやMMORPGで遊ぶのに向いていると言えます。

メインメモリも16GBと充分な容量です。
普通の書類仕事やネット閲覧に使うくらいのパソコンなら2~4GBで充分なことを考えると16GBってすごいですよね。

HDDの容量は2TB(約2,000GB)。
全く動画や音楽を保存しない方なら80GBくらいでも足りることを考えるとこれもかなり大きな容量です。

マザーボード上の部品の動作を仕切っているチップセットはZ97 Express。
Core i7-4790Kなどの新世代CPUをオーバークロック(クロックアップ)可能な高性能チップですね。
オーバークロックは、カブト型ライダーのあれとか、奥歯を噛むと速度が上がるとか、
タイムアルター的なあれとか、ラディカルグッドスピード的なものとか
そんな感じの機能です(元ネタを知らない方には何も伝わらない)。
ざっくり言うとCPU本来の処理速度(CPUクロック=周波数)の
限界を超えてブーストを掛け、処理速度を更に上げることです。
部品にそれ相応の負荷が掛かりますが、何よりも処理速度にこだわりたい方には重要な性能です。

光学ドライブはDVDスーパーマルチ。
データの読込・書込が可能な一般的なドライブです。
DVD対Blu-rayの企業間ビデオ戦争はBlu-rayの勝利で決着したので、
よく映画やドラマを見る方ならオプション選択でBlu-rayドライブに変えたほうが良い気もします。

というわけで、最新のゲーミングモデルは充分すぎるほど
高性能ということが何となくお分かりいただけたかと思います。
デメリットとしてはそれぞれの部品の性能が高く高価なだけに、
壊れたときの修理費用も高価になってしまうことでしょうか。

元々熱に弱い(私のイメージ的に)GeForceを長時間動作させて熱負荷を掛け
オーバークロックでCPUやその他の部品に動作負荷を掛け・・・
ということでゲーム特化のパソコンは部品が壊れやすい状況と言えます。
中でもCore i7の電源回路が壊れると部分修理がほぼ不可能なため、
マザーボード丸ごとの交換が必要になることがあります。
ゲーミングモデルを購入される場合は、専用の冷却クーラーを使ったり、ファンを増設したり、
マメに内部を掃除したり、出来る限りシャットダウンして休ませたりと
部品が長持ちするように大切に使ってあげてくださいね。

ちなみに私はDELLのALIENWARE(エイリアンウェア)シリーズ
ASUSのゲーミングモデルにちょっと憧れています。
そんなに3Dのゲームもしないし、これだけの高性能は全く必要ないのですが
デザインやギミックがSF感があっていいですよね。

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