ノートパソコンのバッテリー(リチウムイオン電池)について

コンセントに電源コードを繋いでいない状態で動くコンピュータ、つまりスマホやiPadやノートパソコンには、電源となるバッテリーや充電池が内蔵されています。
リチウムイオン電池バッテリー
特に近年のノートパソコンの内蔵バッテリーにはリチウムイオン電池が使われている事が多いので今回はそのリチウムイオン電池についてご説明したいと思います。

夏休みに実家で使うからノートパソコンやタブレットPCを宅配で送っておこう、という方や、手荷物にして飛行機に乗る予定の方にもご参考になれば幸いです。
皆様どうぞ安全で楽しいお盆休みをお過ごしください。

リチウムイオン電池とは

ノートパソコンで言えば、大体が底面に内蔵されているバッテリーがリチウムイオン電池です。
ロック(ツメ)部分を外して取り外しができる機種と、完全に内蔵されていて本体を分解しないと外せない機種とがあります。

取り外した状態がこちら。
リチウムイオン電池であることを示す【 Li-ion 】という表記があります。
リチウムイオン電池

ちなみにこちらは一昔前のニッケル水素電池。
ニッケル水素電池
どんどんリチウムイオン電池に取って代わられたため、最近はあまりニッケル水素バッテリーは見かけなくなりました。

膨張・発熱・発火の危険性

リチウムイオン電池は小型・軽量でもエネルギー密度が高いという利点があり、ニッケル水素電池などに取って代わってノートパソコンのバッテリーの主流となりました。

しかしこのエネルギー密度が高いという利点は、極端な高温、あるいは低温環境で内部の電解液等が変質して最悪の場合は膨張・破裂・発煙・発火するという危険性と隣合わせでした。
そのため出来る限り各メーカーは幾重にも安全対策を行い、安全にノートパソコンバッテリーとしてリチウムイオン電池が使用できるように本体設計を行っているのですが、メーカー側の想定を超えた使用方法(高温環境下での長期間保存や連続稼働、経年劣化による膨張の放置など)や製造過程での不良品発生などにより、どうしてもそうした事故が発生してしまうことがあります。

また、破裂や発火といったエライ事にならずとも、電池内部の状態が悪くなれば当然 電池の持ちが悪くなりますから、部品を長持ちさせるためにも、起動させていない時でも出来る限り涼しい場所に置いて保管してくださいね。

万が一にもお家や車の中で発火したら大変なので「なんか最近やたら熱を持ってるし、妙に膨らんできたな…」と気づいたらすぐにバッテリーを取り外し、適切な方法で廃棄してください。
新しいバッテリーが必要な場合は、メーカーさんやPC修理業者から購入することもできます。

本体を分解しないとバッテリーが取り外せない機種の場合は(AppleのMacBookシリーズや、最近増えてきた薄型軽量のUltrabookと呼ばれる機種)外からバッテリーの状態を見ることができないため、かなり電池が膨らみ、キーボードを押し上げ、周りの部品を壊してPCが動かなくなり、という破裂寸前の段階になってから異常に気づくユーザーさんも居ます。
その場合も、異常に気づいたらすぐにお近くのパソコン修理業者などにご相談いただき、速やかにバッテリーを取り外して廃棄するようにしてください。
もしご近所の業者さんがAppleやUltrabookの分解はムリ!ということでしたら弊社でも宅配ご依頼や持ち込みご依頼による分解交換を承っておりますので、お早めにご相談いただけたらと思います。

お問い合わせメールフォーム
電話番号 087-813-0481(営業時間 9時~17時)

宅配でノートパソコンを送る際には

上でご説明したような、リチウムイオン電池の発熱や発火が航空機内で発生すれば墜落などの重大事故を引き起こす可能性があります。
それを防ぐために、宅急便でリチウム電池を含む荷物を運ぶ場合は航空便ではなく陸送や船便による配送に限ると法律で決まっています

そのため、皆さんもノートパソコンを宅配で送る時にはきちんと『 リチウムイオン電池あり 』と伝票や箱に大きく記載してから発送してください。
また、受け取る相手側には「 決まりで陸上輸送になって、普通の配送よりも日数がかかるよー 」とあらかじめ伝えてあげると良いでしょう。

「 なんかバッテリーが入ってると配送に日数が掛かるっていうからワザと品名に 『 工具。リチウム電池無し・コンプレッサー無し 』 って嘘を書いて出そう 」というような事は絶対におやめください
荷物積み込み前の検査で引っかかるので、そのまま飛行機に乗ることはまず無いとは思いますが、もし万が一に検査をすり抜けてしまい、上空で発火しようものなら大変なことになります。

ニッケル水素電池の場合

逆に、少し古いニッケル水素電池がバッテリーとして使われているノートパソコンの場合はバッテリーを本体から取り外してさえいれば同梱しても大丈夫です。
つまり、ニッケルの場合は万が一に備えて電圧が本体に伝わらないように別々にしておけばOKということですね。

この場合は 「 リチウム電池じゃなくてニッケル水素電池だから!航空便でお願いします! 」 とアピールするために、配送伝票の品名欄に 『 ノートパソコン(ニッケル水素バッテリー)※リチウムイオン電池は含まれていません※ 』 と記入しておくと良いでしょう。

飛行機に手荷物としてパソコンを持ち込む場合

出張やご旅行で飛行機に乗る際にノートパソコンやタブレットを機内に手荷物として持ち込むこともあるかと思います。

そういった機器を機内に持ち込む際には各航空会社が定めた注意事項を遵守の上で使用するようにご注意ください。
注意事項は航空会社によって多少異なるため、あらかじめ企業サイトで規約を調べておくか、スタッフさんに電話やメールで尋ねてみると良いでしょう。

また、パソコン内部の部品の中にはX線を通さない金属が含まれているため、搭乗前のX線検査で怪しい物だと疑われないように、あらかじめノートパソコンをバッグから出してトレイやカゴに乗せて検査を受けるのがおすすめです。

※PCの中のデータが保存されているHDDやSSDといった部品がX線を浴びせられると壊れる、データが飛ぶ、という謎の都市伝説的なものがありますが、私が知る限りでは手荷物検査のX線くらいでそんなことは起きないと思うので、ちゃんと検査を受けてください。
 ていうかX線で電子機器が壊れるのであればレントゲン検査を平気な顔して受けてる人間の内臓の強度ヤバくないですかね。
 もし 「 X線検査で壊れた! 」 というひとが居たら、それはその前後の運んでる最中の衝撃とかで壊れただけじゃないのかなーと個人的には思っています。

※パソコンを運ぶ時は、必ず電源を切ってから運んでください。
 電源が入ったまま振動や衝撃を与えたり、本体を傾けたりすると部品の劣化や故障の原因になります。

※航空会社によってはスーツケースや旅行かばんに入れたまま搭載貨物としてパソコンを乗せることもできるのですが、その場合はスーツケースや旅行かばんごと放り投げられたり(海外では普通)ベルトコンベアの上に勢い良くバッタリ倒されたりと、精密機器には過酷な取り扱いを受けることがあるのでオススメできません。

それでは以下では手荷物としてパソコンを持って搭乗した時の注意事項についてご紹介します。

電波制限に注意

飛行機の操縦機器に影響を与えないよう、機内で『 電波を発する機械 』 の使用は制限されます

ノートパソコンについて良く見かける決まりだと
・離着陸時の使用は禁止(機内モードにするか電源を切る)
・飛行中は機内Wi-Fiのみ使用可
もしくは
・搭乗時から着陸してドアが開くまで完全に使用禁止
といった感じですね。

これは携帯電話やスマホもほぼ同じ決まりなのでご注意ください。
こうした注意事項は機内アナウンスでも流れるはずなのでちゃんと聞いておいてくださいね。

置き場所に注意

リチウムイオン電池は強い圧力を加えると変形し、一気に膨張・発熱・発火することがあります。
そのため、機内にノートパソコンなどを持ち込んだ際はうっかり踏みつけたり落としたりしないように注意してください。

また、ノートパソコンはスタッフさんの邪魔にならないよう、そしてうっかり落下させたりしないように、離着陸時には他の手荷物と同様に前の座席の下や、座席の上の共用収納棚に収納しておくようにしましょう。
これも離着陸時に見回っているキャビンアテンダントさんが「 揺れがあり危険ですので手荷物は収納棚に入れていただけますか? 」 というようにこちらが忘れていてもちゃんと注意してくれるはずなので指示に従ってくださいね。

一度「 落としたりしないし、離陸したらすぐに使いたいからこのままで 」とCAのお姉さんに向かってゴネるひとを見かけて私のテンションがめっちゃ下がりました。
その方が周囲の乗客やCAさんからどんな風に思われようと別にどうでも良いのですが、私の愛するパソコン(私はメーカーや性能に関わらず全てのパソコンを愛しています)の心証が悪くなるような真似はやめてほしい…!

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