Firefox Quantum(バージョン57.0)の変更点と使い勝手

米国時間の2017年11月14日にリリースされ、
その後は世界各国で順次リリース更新されたFirefoxのバージョン57.0
私のPCには11月17日に入ってきました。
Firefox Quantum(ver.57)更新後のページ
なんかあちこち見た目も機能も変わってしまって戸惑っているので、
私と同じく何がどうなったのか困っている方向けに、このQuantumが何なのか、
使い勝手(UI=ユーザーインターフェース)がどう変わったのか簡単にご説明したいと思います。

Firefox Quantum(Version 57.0)とは

Firefox(ver.57)リリースに向けた旧アドオン停止 の記事でもお話したとおり、
2017年4月リリースのFirefox(ver.53)から、徐々に今回の大型アップデートに向けて
アドオン(拡張機能)の仕様変更が始まり、
【Firefox】スクリーンショット機能などの追加(Version56.0アップデート)
ご説明したように、スクリーンショット等の新しい機能の追加実験が行われてきました。

そして今回ついにバージョン57がリリースされました。
このバージョン57はFirefox Quantum プロジェクトの一環として
『 Quantum 』の名称が付けられています。
名前からすると『 処理を並列化し、全ての計算処理を同時に行える
量子的なFirefoxを構成する 』プロジェクト
ってことなんですかね。

バージョン61.0、もしくは62.0までQuantumシリーズになる予定のようなので、
今回のアップデートで微妙かな~という点も今後の更新で徐々に修正されていくと思います。


Firefox Quantum(ver.57)から変わったところ

何はともあれ動作が速くなって嬉しい
WE以外のアドオンが制限されたのはちょっと切ない
フォント(文字の書体)が自由に変えられる
ウェブ開発者向けの修正や変更も


何はともあれ動作が速くなって嬉しい

今回のバージョン57の最大の特徴であり、一般ユーザーにとって第一のメリットは処理の高速化です。

 icon-lightbulb-o インターネット閲覧をもっと便利に快適に 【4】Firefoxのメリットとデメリット
こちらの記事でお話したとおり、数年前まで 『 Chromeに比べて動作速度が劣る 』 というのが
Firefoxのデメリットの一つでした。
しかし今回のバージョアンアップにより、Firefoxは一年前(バージョン52)から比べると
約2倍の動作速度になったとのこと。
Chromeも同じようにバージョアンアップで進化しているとはいえ、
もう追いついたか追い越したかくらいの速度になったということでしょうか。
何はともあれページ表示や機能変更の反映が速くなるのは嬉しいですね。


WE以外のアドオンが制限されたのはちょっと切ない

処理速度アップ、セキュリティ(安全性)の向上、新機能の追加、
ブラウザ間の差異無く開発者が拡張機能を提供できる、といった
メリットが多々ある今回のアップデートですが、その代償として、
これまでの拡張機能(アドオン)、つまり
WebExtensions APIで作られていないアドオンは強制的に停止されています。

Firefox(ver.57)リリースに向けた旧アドオン停止 の記事でご説明したとおり、
クロスブラウザで動作するアドオン開発のために生み出された
アプリケーション・プログラム・インターフェイス(API)が WebExtensions API(略してWE) です。

FirefoxでもGoogle ChromeでもOperaでも変わらずに
同じアドオンを使えるようにしましょう、というブラウザ間の協力と歩み寄り的な
アドオン開発者のためのインターフェースが WebExtensions API であり、
WE を用いて作られたFirefox用アドオンは、簡単な手順で
Google Chrome用の、あるいはOpera用の拡張機能に移植できるようになります。

そのために今回のバージョン57からWE対応アドオンのみが動作し、
それ以外のアドオンは自動的に停止状態になっているので
現在のアドオンの状態を確認しておくと良いでしょう。
Firefox Quantum57のアドオン停止

【 旧式の拡張機能を表示 】をクリックして、停止されたアドオンは削除するか、
新しいWEバージョンのアドオンを作者さんが作ってくれていないか探しに行ってみましょう。
Firefox Quantum57のアドオン変更


フォント(文字の書体)が自由に変えられる

これまで、Firefoxで表示される日本語テキストの主なフォント(書体)は
『 MS Pゴシック 』 だったのですが、バージョン57から 『 メイリオ 』 がデフォルトになりました。
また、明朝体(Serif)の既定のフォントが 『 游明朝 』 になります。
等幅(Monospace)の既定のフォントは従来通り 『 MSゴシック 』 です。

文字フォントについて詳しくはこちらをご覧ください。
 icon-hand-o-right 【文字フォント】フォントの種類と変更方法

新しいFirefoxになってから 『 サイトの見た目が何か…違う…ような…??(・∀・) 』
と微妙な気持ちになった方は、もしかしたらこのフォントの変更により
今まで見ていた文字と違っているせいで違和感を感じているのかもしれません。

前のゴシックの方が文字が読みやすかった
他のフォントを試してみたい
目が悪いのでもう少し文字サイズを大きくしたい

そんな方は、右上の【 メニュー 】 icon-reorder 
⇒【 icon-gear オプション 】
⇒【 icon-gear 一般 】
⇒ 『 言語と外観 』 の項目内のフォントやサイズを変更してみてください。
Firefox Quantum57の文字フォント


ウェブ開発者向けの修正や変更も

ウェブ上に存在するホームページは、HTMLやCSSといった目的に応じた言語で作られており、
それを開発者が意図したとおりの形式・形状でユーザーの眼前に表示してくれているのが
Firefox、Chrome、Internet Explorerといったブラウザソフトです。

ここが太字になっているのは私が 『 太字で強調よろしく 』 と書いた指示を、
上記の見出しが青に赤とオレンジの枠なっているのは私が 『 青にしてね 』 と書いた指示を
それぞれブラウザが聞いて、その通りに表示しくれているからなのです。
ブラウザが正確にサイト構成を読み取って表示できなければ、
妙にズレた配置でページが表示されたり、アプリケーションが上手く動作しなかったりします。

そしてウェブの世界では、次々に新しい技術や言語が生まれており、
ブラウザ側もそれに対応して正確に動作させる必要が出てきます。
逆に古くなった記述方式は、悪い人に 『 あの窓ボロくて入りやすそうだな 』 と
セキュリティ上の脆弱性として狙われてしまったりします。

そうした新しい技術への対応と、古い記述のセキュリティの穴を塞ぐために
ブラウザも日々の更新で細かく修正を加えています。



次の記事ではより詳しく、現在の機能の状態の確認や
アドオンを新しいバージョンに変更する方法、追加機能の使い方などをご説明します。

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