Windows10から旧OS(Windows7や8)に戻す方法でもお話しましたが、いよいよWindows10へのアップグレードが強引になってお困りの方も多いと思います。
あらかじめWindowsへの更新を無効化しておけばセーフですが、ついうっかりそのままにしておいた更新お知らせに【 OK 】を押してしまうこともあるかもしれません。
Windowsへの更新が始まったら、ひとまず100%完了するまで待ってください。
途中でヘタに強制終了してしまうと、内部でデータがぐちゃっとなってWindowsそのものが起動しなくなったり、元データを取り出す作業が困難になったりします。
Microsoftの勧める【 Windows10 アップグレードのキャンセル 】
皆さんの困惑と怒りが伝わったのか、ホームページやTwitterでMicrosoftがアップグレードをキャンセルする方法をアナウンスし始めました。
というかこんなアナウンスするくらいなら最初からあんな無理やりなアップグレードしなければいいのに。
しかもこの方法で、問題なく元の状態に戻れるとは限りません。
しかもパソコンが起動しなくなろうが、データが消えようが、Microsoftは一切なんの保証もしてくれないので、Windowsのアップグレードやデータの取り扱いは慎重に。
アップグレードキャンセルでパソコンがおかしくなる可能性
Windows10では、これまでのWindowsとはシステムデータの形式が全く異なります。
Windows10にアップグレードするということは、システムデータを全て10用に生まれ変わらせているのです。
そのため、Windows7(8)からWindows10にして、またWindows7(8)に戻す、というのは実は結構無理のあることです。
工藤新一が黒の組織の薬で若返って江戸川コナンになって、風邪とお酒で化学変化が起きて工藤新一に戻った時には結構ツラそうでしたね。(なんか違う)
私は猿から進化した人間ですが、謎の研究者とかに人体実験されて猿に戻されたとして、記憶や理性も書き換えられたそれは果たして私と言えるでしょうか。(SFホラー)
うーん、なんかもっとわかりやすい例えを、と考えているのですが思いつかない。
こんな ↓ 感じに近いかも。
私が鉛筆で書いたメモを誰かが消しゴムで消して、違う筆跡・微妙に違う内容でメモを書いたとします。
それを見つけた私は「 誰だよもう、勝手に書き換えて! 」と憤慨しながら別人の筆跡を消し、元々の自分のメモを書きなおそうとしますが、最初の筆跡をたどるのも難しく、記憶を頼りに一言一句間違えずに再現するというのも難しいですよね。
パソコンのHDD(もしくはSSD)という部品の中にあるシステムデータも同じで、一度全く別物になったデータを復元データを頼りに元の状態に戻そうとした時、完全な状態で再現できるとは限らないのです。
更に、経年劣化や衝撃によってHDDやデータに破損がある状態からWindows10に上げ、Windows7(8)に戻そうとすると、不完全な復元になってしまい様々な不具合が発生することになります。
※アップグレードのキャンセルをうっかり飛ばしてWindows10へのアップグレードが完了してしまった場合については前回記事 Windows10から旧OS(Windows7や8)に戻す方法 をご覧ください。
アップグレードのキャンセルによって発生する不具合と改善方法
Windows7や8に戻した瞬間に
・画面が真っ暗で何も出てこない
・システム修復、スタートアップ修復、オプション修復の画面になる
・今まで使えていたソフトやパーツが動かない
・液晶画面の表示がおかしい
こういった症状が出た場合。
もしくはWindowsにしてから一ヶ月くらいで上記のような症状が出た場合。
(タイマーが仕掛けられているかのように、ちょうど復元ができなくなる期限である1ヶ月後に不具合が起きることがあります)
考えられる不具合原因は
システム更新と復元の負荷によって部品が物理的に壊れた
HDD(もしくはSSD)の中でデータがぐちゃっと壊れた
大体がこのどちらかです。
物理的な破損なら
経年劣化や負荷による物理的な破損であればパーツ修理や交換の必要があります。
HDD交換、液晶パネル交換、マザーボード修理など、弊社にご依頼いただいた場合の料金は10,000~20,000円くらいです。
データの破損なら
まず内部のデータが必要かどうか。
データ不要の場合
今まで特に保存したデータも無いし、初期化されても大丈夫、という場合はご購入時に付属してきたリカバリーディスク、もしくは自分で作成したバックアップデータなどを使用してWindows7、Windows8にリカバリー(工場出荷時の状態に初期化)すれば今までどおりお使いいただけます。
データが必要な場合
絶対に内部データ消したくない!という場合は、いくつか方法があります。
もう一つHDDを用意する
今まで使っていたHDDを取り出して置いておきます。
新しいHDDを入れ、そこにリカバリーデータを入れるか、購入したWindows7(8)を入れます。
動作するようになったパソコンに、USBケーブルで旧HDDを繋いでデータを取り出します。
※メリットは、簡単なのでお手元でもできるかもしれないこと。
デメリットは、パスワードや設定は移せない、移行できないソフトは移せないかもしれないことです。
データを移行する
現在のHDDの中のデータを抜き出しておいて、HDDをリカバリーし、抜き出したデータをそのまま移行する。
※メリットは、出来るだけ元の状態と同じに復元できること。
デメリットは、データバックアップ先となるHDDを用意し、データ移行の機器を用意し、更に崩れたデータは見ながら元に戻し、といように、なかなか用意と手間暇がかかります。
メーカーや弊社のような修理業者にご依頼いただいた方が良いかもしれません。
例えば弊社だと、破損の状態や、リカバリーディスク購入の要・不要にもよりますが、だいたい15,000~25,000円くらいです。