弊社にお電話いただくと大体私が出ます。
ということで、お客様からのお問合せの他にも、様々なセールス電話を受けている訳ですが、今日掛かってきた詐欺電話は騙される方もいらっしゃるかもと思ったのでご紹介しておきます。
内容としては補助金が出るので、今なら会社の照明設備を無料でLEDに変えられます!ということでした。
LEDとは発光ダイオード(Light Emitting Diode)のことで、省エネ・長寿命というメリットから、家庭や企業の照明、テレビやパソコンの光源など様々な場所で普及が進んでいます。
青色発光ダイオード(LED)開発によるノーベル物理学賞の受賞の記事などでもLEDについて記載しておりますのでご興味がお有りの方は合わせてご覧ください。
タダより高いものは無いんだぜ…ということで最初から怪しさ満載。
しかも無料なのがLED部品代なのか設備工事代なのか何なのかも分からない話し方。
それ以前に掛けてきたお兄さんも明るすぎて胡散臭いというか、セールストークに慣れてきた頃の若者ってちょっと噓くさい喋り方になりますよね。
(とはいえ、ひとまとめにしたら失礼ですね。勿論そうでない方も大勢いらっしゃいます)
これだったら前の四国電気保安協会を名乗るお姉さんのほうが上手かった気がします。
詐欺が上手いというのもどうかとは思いますが。
アイリスオーヤマの特約店、と名乗っているのも微妙。
特約店や代理店ということは、大元のその会社の製品を扱っているだけで実際は何の契約もない、正式な下請けでもない場合も多々あるからです。
そこでスッパリお断りして電話を切った訳ですが、ちょっと気になって本当に補助金が出るものか、なぜタダになる(?)のかを調べてみました。
補助金については 一般社団法人 環境共創イニシアチブ が扱っている、平成26年度補正予算 地域工場・中小企業等の省エネルギー設備導入補助金/最新モデル省エネルギー機器等導入支援事業というものが確かにありました。
しかしその申請ページを見てみると・・・
・・・もう申請受付け締め切られてますね。
本当は12月まで受付期間はあったのですが、4月22日までの受付分で予算を超えることが確定したので受付を締め切ってしまったようです。
しかも補助が出るのは最低でも100万円以上のLED設備工事で、補助金額は費用の半額。
タダになるはずが無いので、タダにしようと思ったら最初から見積りを高額にしておいて補助申請するしかありません。
100万円の工事を200万円で申請して100万円の補助を受けてタダにする、などですね。
当然ですがもしこんなことをすれば虚偽の補助金申請、完全な詐欺行為です。
そして上記のように既に補助金は締め切られているので、補助金が出るはずもありません。
そうなると一体どんな手順で進む詐欺手法だったんだろう。もうちょっと乗っかって話してみれば良かった。
そこでお兄さんが名乗っていた 『 アイリスオーヤマの特約店 』 ということから、アイリスオーヤマ株式会社に「この電話とアイリスさんは関係あるの?工事タダなの?」と尋ねてみました。
回答としては
・製品を扱ってくれている販売店は多々あるし、大口の販売業者で一社グループ企業と言える会社はあるが、
特約店と名乗るような業者に心当たりは無い
・アイリスオーヤマとしてそういった内容のセールス電話を掛ける指示などもしていない
・中小企業用の補助金(A類型)は既に受付終了しているが、来年以降の予算で
また枠が出来れば申請可能な可能性はある
・しかし少なくとも補助金で全額をまかなうことはできないので、そういった嘘のセールスをするはずがない
ということでした。
丁寧なご返答をくださった担当の方、ありがとうございます!
やっぱり詐欺かあ…ということで、もし次また電話が掛かってきたら電話番号なども含めてちょっと詳しく聞きだしてみたいところです。
いずれにしても、LEDへの変更をお考えの企業さんは、付き合いで何らかの義理があるとかでないなら代理店や特約店などには依頼せず(仲介料や手数料を上乗せされるだけですし)アイリスオーヤマのLED事業本部さんのように、自社で販売や導入を行っている企業さんに直接お願いした方が良いと思います。
こういった電話が掛かってきて少しでも怪しいと思ったら、担当者名と折り返しの電話番号を尋いてから一旦電話を切るようにしましょう。
補助金詐欺について;2016年3月29日追記
年度が変わり、補助金の予算がまた出たせいか、LEDの工事に誘う詐欺の営業電話がまた増えてきているようです。
※補助金について詳しくは、一般社団法人 環境共創イニシアチブのホームページをご覧ください。
きっと中には普通の誠実な業者さんも居るのでしょうが、以前にもご説明したとおり、全額を補助金でまかなうことはできませんし、嘘の工事金額で申請をして補助を受けたらそれはただの補助金詐欺です。
LEDへの改装をお考えの場合は、怪しい業者に騙されないよう、不用意に契約をしないようご注意くださいね。
契約の際は、補助金についてなど口約束は信用せず、ちゃんとした契約書を交わしましょう。
また、しつこい営業にお困りの場合や、騙されて契約してしまった場合などは消費生活センターや最寄りの警察にご相談ください。
消費生活センターに相談
ホームページから最寄りの消費生活センターや国民生活センターを探すことができます。
また、全国共通で 『 188 』 へ電話をすると、最寄りのセンターを案内してくれます。
警察へ相談
詐欺に遭われた場合は、お近くの警察の生活安全課か 『 #9110 』 へお電話ください。
詐欺や脅迫を始めとした生活上の危険に対してなんでも相談できる窓口で、
#9110 について詳しくは政府広報に詳細が記載されています。
警察庁の振り込め詐欺への対策ページもためになるので是非ご覧ください。
契約後に詐欺だと気づいた場合
契約をしてしまったり、工事を進めてしまった後では「 契約して2周間以上経っちゃったからクーリングオフ期間外だし、もう工事も始まってるんだから契約破棄なんで無理だ 」 と思われるかもしれませんが、嘘の内容でセールスをしたり、補助金について嘘の記載がある契約書を交わしていたり、相手が自分の身元を偽ったりしている場合は、期間に関係なく契約不履行として返金を求めるか、告訴することができます。
契約について話している内容を録音したり、工事内容を写真に撮ったりと、できるだけ証拠を集めて警察や弁護士さんに相談してみましょう。
高額な修理費やキャンセル料を請求する詐欺業者についての記事にて、詐欺に対する警察の対応や、弁護士さんへの相談についても書いておりますので合わせてご覧ください。