いよいよ今年の7月29日にリリースされるWindows10。
Windows8、Windows8.1ときて、なぜかWindows10。
9はどこへ行ったんだろう…?と皆さん首をひねったのではないでしょうか。
なぜWindows9は飛ばされてしまったのか、その理由については
・Windows8で盛大にコケたので 『 8の次 』 を無かったことにしてイメージ一新
・過去のWindows95やWindows98とプログラム上で誤認してしまうソフトがあるため
などなど、色んな憶測が流れています。
しかし今年4月のMicrosoft Build 2015にて、Microsoftのジョー・ベルフィオーレさんが着ていたTシャツにその答えが…?
Tシャツの中のバイナリコード
ジョー・ベルフィオーレ(Joe Belfiore)さんはMicrosoftのOS担当コーポレートバイスプレジデント(本部長っていうか副社長っていうかかなり偉い人的な役職)で、Windows Phoneに加えてInternet Explorerのマネージャーも努めていました。
Internet Explorerの後継ブラウザであり、Windows10に標準搭載されるMicrosoft Edge(エッジ)の開発担当でもあります。
4月末に開催された、技術者向けの研究会であるMicrosoft Build 2015において、ベルフィオーレさんを始めとしたMicrosoftスタッフがWindowsのロゴマークのついたTシャツを着ていました。
(画像出展;Windows Central)
右の画像を見ていただくと分かるように、ロゴ部分が数字の0と1でできていますね。
これはバイナリコードと呼ばれるものです。
バイナリコードとは
簡単に言うとコンピュータに指示を出すための2進数でできたコードです。
私達がソースコードで命令したら、コンパイラが翻訳してくれてバイナリコードになり、そこでようやくコンピューターは命令を理解して動作してくれます。
また逆にコンピューターからのお返事などもバイナリコードからコンパイルされて私達が理解できる文字になっています。
コードに隠されたメッセージ
バリのソフトウェア開発者・Kevin Gosseさんがデコードしてくれたところによると
それぞれのバイナリコードに隠されていたメッセージは以下の4つ。
There are 10 types of people in the world
Windows 10, because 7 8 9.
Congrats on being one of the first.
Windows Insiders help us develop the future. Talk to us @ Windows
それぞれどういう意味か見ていきましょう。
There are 10 types of people in the world
訳すと『 世の中には10種類の人間が居る 』となりますね。
これは英語圏のプログラマーの中では割と広く知られているバイナリコードについてのジョークめいた言い回しで、本来はこの後にもう一文続きがあります。
There are 10 types of people in the world.
(世の中には10種類の人間が居る)
Those who understand binary and those who don’t.
(バイナリを理解する人とそうでない人だ。)
『 10 types 』 の 『 10 』 は2進数で 『 2 』 になります。
バイナリを理解する人なら、最初の一文も『 世の中には2種類の人間が居る 』と読めて後の文章との意味が繋がるんですね。
このTシャツのメッセージもバイナリコードが分かる人じゃないと読めないよ、という意味でしょうか。
There are (Windows)10 types of people in the world.とも掛けたのかと思ったのですがさすがに無理があるか…。
Windows 10, because 7 8 9.
これも元ネタは英語のジョークで
『 Why is 6 afraid of 7 ? (数字の6は7をなぜ怖がっていると思う?) 』
『 Because seven eight (ate) nine! (7が9を食べちゃったからさ!) 』
というものです。
これは、英語ではeight (数字の8)とate(食べた)が同じ発音であることから、
1,2,3・・・と数字を数えていると7,8(ate),9 のように聴こえることを利用したジョークです。
(Windows9が無くて)Windows10なのは、7が9を食べたからだよ、ということですね。
同じことを去年のプレゼンでもTerry Myerson(テリー・マイヤーソン)さんとベルフィオーレさんが2人して言っていたようなので、もうこれが間違いなく公式見解。
皆の疑問にジョークで返してくるそのセンス、嫌いじゃありません。
Congrats on being one of the first.
直訳すると 『 最初の一人であることにおめでとう 』 とか?
このTシャツに書かれたコードを解読した最初の人に向けた称賛でしょうか。
おめでとうケビンさん、そして解読ありがとうケビンさん。
Windows Insiders help us develop the future. Talk to us @ Windows
『 Windows Insidersは将来の開発の手助けになる。Windowsについて私達に相談してね。』
Windows 10のユーザーはWindows Insider Programというプログラムを使うとフィードバック(エラー報告など)を送ることができるそうなので、参考のためにどんどんフィードバックちょうだいね、というお願いですね。
真実はいつも藪の中
というわけで、Windows9が飛ばされてWindows10がリリースされる理由はジョークで誤魔化されてしまいましたが、こういうギークらしい遊び心は大好きです。
スティーブ・ジョブズがAppleの社名とロゴの由来をはっきりさせないまま天に召されたように、はっきりしない方が想像の余地があって楽しいような気もします。
ちなみにこのTシャツは非売品のようですが、その内 Microsoftストアで売られるようになったら面白いですね。
Windows10もこのTシャツのようにコンピュータの基本と遊び心、両方を備えたOSになっているといいなあと思います。
試しにメッセージを入れた画像を作ってみました。
バイナリコードもいいですが、そのままのメッセージでもMicrosoftスタッフさんのTシャツにいいかもしれない。と自画自賛してみる。