今までワイヤレス(無線)で問題なくネット接続できていたのに、ある日シグナルの強さが弱くなってしまったり、不安定になってしまった時に、考えられる原因と対策をご説明します。
ネットワーク接続とは
パソコンをネットに繋いでいるということは、
無線LANを使ってネットワークに接続している場合と、
有線LANを使ってネットワークに接続している場合
2パターンがあると思います。
プロバイダーとインターネット接続の契約を交わし、工事やら機器の設置やらが完了し、更に必要に応じて(モデム、ルーター、ケーブル等)を用意し、『 この場所でネット接続が可能 な状態になって初めてネットワーク接続ができるようになります。
基本的に一般のお宅であればこんな感じですが、他にも色々な機器や接続形態があります。
LANとは
ネットワーク接続の話の中でよく出てくるLANとは、
Local Area Network(ローカルエリアネットワーク)の略称です。
同じ建物の中にあるパソコンや通信機器、プリンタなどを接続し 、データをやり取りするネットワークのことを指します。
ブロバイダーとの契約
ネット接続するためには、『インターネットと自分ちの回線を仲介してくれる業者=プロバイダ企業』と契約を交わす必要があります。
NTT、Yahoo!、BIGLOBE、nifty、OCNなどのインターネット回線企業やプロバイダ企業と契約し、契約料金を支払い、回線工事をしたり機器を設置したりして接続環境を整え、更に『あなたの家からネットへの扉を開くための鍵』として『IDとパスワード』がハガキや封書で送られてきます。
これが分からなくなると、ネットの不具合が起きて再設定する時などに困ってしまうので、プロバイダ業者から送られてきた書面などは大切に保管しておきましょう。
Wi-Fiネットワーク接続
スマホやタブレットを自宅でネット接続するためにも、最近はルーターを設置しているお宅が多いと思います。
スマホを定額通信契約(やってないと大変なことになるので、基本的にスマホでネットをする方は必ずこのプランに入っているはず)では
「データ通信の量が3GBを超えたら速度落とすぜ」
「3GB以上になっても全速力を使いたいなら別途料金だぜ」
というように『 お金はこのプランの金額ポッキリだけど、データ通信あんまり使い過ぎないでね 』という契約になっていることが多いと思います。
自宅で『Wi-Fiルーター』を使ってスマホでWi-Fi接続していると、その間はデータ通信量がカウントされないので、3GBの速度通信制限などに引っかからずに済みます。
アプリの更新やインストール、音楽や動画の視聴など、データ量の多い接続を行う際にはWi-Fi接続を上手く使いましょう。
有線LANとは
パソコンをLANケーブルでルーターやモジュラージャックなどに繋ぐだけで自動的にネット接続できるので、無線LANのような設定がいらず、とっても簡単です。
まれに会社のネットワークで有線接続にもセキュリティ設定をしている場合などはパスワードの入力を求められることもありますが、その場合はパスを入れればネットワーク接続が確立されます。
無線LANとは
無線LANの場合、パソコンの中に組み込まれているLANの子機になる部品と、家や会社のどこかに設置されている親機(ルーター)が電波のやりとりをしてネットに繋げます。
子機と親機のイメージとしてはこんな感じでしょうか。
なんだか物凄くシュールな擬人化になってしまった…。
ネット接続が不安定な時の原因と改善方法
今まで問題なく繋がってサクサクネットもできていたのに、突然LANのネットワーク接続が不安定になったり、ちょこちょこ切れるようになってしまった時。
つまりネット接続が遅かったり、接続が切断されてしまう場合に考えられる主な原因は、有線LANの場合は機器的な不具合(部品やケーブルの破損や劣化)であることが多いのですが、無線LANの場合は様々な可能性が考えられます。
以下で考えられる原因として主なものと、その改善方法をご説明します。
もちろん、下記以外にも様々な原因があるので、参考程度にご覧ください。
まずはルーター周辺を確認
ルーターの電源ランプとLANランプが正常に点灯しているか。
モデムとルーター間のケーブルがきちんと繋がっているか、ゆるんでいないか。
これらを確認し『普段はグリーンに点灯しているランプが消えている』『赤いランプが点滅している』などの異変があれば、配線を一度抜いて繋ぎ直したり、ルーターの再起動を試してみましょう。
再起動やエラー確認の方法は機器によって違うため、機器の説明書を見る必要があります。
設置している機器の説明書は失くさないようにご注意ください。
また、説明書を失くしてしまっていても、メーカーのホームページに説明書が掲載されているので、型番シールを確認して、携帯・スマホ・職場のPCなどから型番で検索をかけて説明書を探してみてください。
同じ無線周波数の機器と競合している
接続が不安定になり始めたのと同時期に何か電気製品を購入されたお心当たりがある場合は、その機器とルーターを離してみてください。
プロバイダの問題
最初に上でご説明した『プロバイダ』。
NTTやOCNやらといった、自分の契約している企業が、ごくごく稀なことですが 『 サーバーのメンテナンス 』 をしていることがあります。
『 ネットに繋ぐための大元になるコンピュータ 』を止めて検査などを行うので、当然そのサーバーが担っていた地域の人達はネットに接続できなくなりますが、これは数年に一度、短くて数分、長くて数時間程度のことなのであまり遭遇することもないかと思います。
その他にプロバイダの問題として有りえるのは、お引越しやパソコンの買い替えで、今までの設定では繋がらなくなっている状態です。
この場合は、プロバイダとの契約更新や『IDとパスワード』の再入力などが必要になるため、一度ご自分が契約しているプロバイダに問い合わせてみてください。
IPアドレスが変わってしまった
広大なWebの海の中、自分のネット接続機器がどこにあるか、どこからネット接続の許可を求めているか、といった、緯度経度のような情報がIPアドレスです。
IPアドレスは 『 192.168.0.13 』 のような数字で表されます。
普通はLAN接続の手順の中で、IPアドレスが自動割当てされるのですが、これが何らかのエラーやデータ消失で割当てがズレたりすると、サーバー側から 『 お前は誰だ。住所不定の怪しい奴に扉は開かんぞ 』 と接続を拒否されてしまうのです。
この場合は、IPアドレスを再度自動取得するか、自分で固定アドレスを設定するか、といった作業が必要です。
ルーター機器などを販売しているBUFFALOさんのサイトに詳しい説明がありますのでご確認ください。
パソコンのIPアドレスを手動で設定する方法
ウイルスによる動作阻害
コンピュータウイルスに感染したことによって、通信の動作が不安定になることがあります。
ウイルスセキュリティソフトでスキャンを行ったり、タスクマネージャーからメモリを占拠している怪しいプログラムが無いか確認してください。
ウイルスセキュリティソフトを入れていない場合は、まずはセキュリティソフトを購入してインストールしてくださいね。
ご参考に おすすめウイルスセキュリティソフト
ドライバーやファームウェアの不具合
パソコンのプログラムデータの中に、パソコン部品を動かすための『 デバイスドライバー 』というプログラムがあります。
キーボードにはキーボードのドライバー、マウスにはマウスの、そして無線LANボードには無線LANボードのドライバーが存在しているのですが、このドライバーが何かの拍子にエラーを起こしたり、消失してしまうことがあります。
無線LANボードに対応するドライバーは
「 この無線LANボードはネット接続のための部品で、こんな風に働くのでこう動かしてくださいね 」
と、パソコンさんに対して主張するためのプログラムです。
これが消えてしまうと、パソコンさん的には「なんか知らない奴(部品)が居る…あいつ誰だっけ」と無線LANボードを無視するようになるので、ネット接続が切断されてしまいます。
デバイスドライバーをメーカーサイトで探してダウンロード更新してみてください。
そしてこのドライバーと同じように、ルーターにはファームウェアと呼ばれるプログラムが対応しています。
ファームウェアが古いもので障害が起きているのであれば、最新のものに更新することで不具合が改善されることがあります。
誤ったドライバーやファームウェアを入れてしまうと状態が悪化することもありますので、慎重に適合するものを確認してから更新してくださいね。
正しいものがどれか分からない場合は、パソコンのメーカーサポートに問い合わせていただくか、弊社のような修理業者にご依頼ください。
内蔵無線LANボード(子機)やコネクタの物理的な劣化・破損
パソコンの中に存在する無線LAN部品が壊れてしまうと、ネットの接続が弱くなったり、不安定になったりします。
この場合は部品の交換などの修理が必要です。
無線LANボード(カード)や、ケーブル接続コネクタ等の修理料金は弊社の一般的な料金で3,000~20,000円程度です。
故障箇所、破損度合い、必要部品の仕様などで変わります。
コネクタの簡単な修復ならお安いですし、逆にマザーボードまで波及した破損だったりするとちょっとお高くなります。